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絶対仕事が手につかない! 東京五輪、ビジネスパーソンには辛すぎる競技日程に

   2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は2019年4月16日、種目別の詳細スケジュールを発表した。資格停止中のボクシングを除く32競技326種目の日程が決まり、注目の男女マラソン(女子8月2日、男子8月9日)は午前6時スタートが正式決定。ソフトボールが日本代表の先陣を切り、開会式2日前の20年7月22日午前9時(相手未定)にプレーボールとなる。

   20年東京五輪は、史上最多となる33競技339種目の実施が予定されている。20年7月24日の開会式に先立ち、22日にソフトボールが福島県で行われ、25日から男子柔道など決勝種目が行われる。

   1964年以来、2度目となる日本での夏季五輪開催に大きな注目が集まるが、そこで気になるのは競技の実施時間。時差なしのリアルタイムで観戦でき、チケットが入手できなくてもテレビ観戦の手段が。ビジネスパーソンがテレビ観戦可能な競技、また、残念ながら平日の午前決勝となる競技は...。

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半分以上の決勝が17時までに開始

   今回の東京大会で実施される競技の決勝(メダルが決まる試合)のスタート時間を大きくふたつに分けると、午前5時30分から17時までが178、17時以降が148となる。実に半分以上の決勝が17時までに始まることになり、平日に休みが取れないビジネスパーソンにとって、午前中からテレビ観戦が可能なのは土日だけ。大会期間中の土日は計6日間で、平日午前の決勝は、テレビの録画で楽しむことになりそうだ。

   東京大会は、これまでの五輪と比較すると午前決勝の割合が高くなっている。この背景には、巨額の放映権料を支払う米国のテレビ局の意向が強く反映されているとみられる。日本オリンピック委員会(JOC)関係者は、これに対して真っ向から否定するが、北米で人気を博す種目の決勝が米国のゴールデンタイムに合わせて行われることから、米国のテレビ局の意向が何らかの形で反映されていることは否めないだろう。

   この影響をもろに受けたのが競泳だ。4月16日の発表以前にすでに午前決勝が決定しており、20年7月26日から8月2日(午前10時30分~12時30分)まで決勝種目が実施される。陸上に関しては、男女マラソンは気温を考慮して午前6時スタート。男女ともに日曜日開催なので、早起きすればリアルタイムでの観戦が可能だ。世界中が注目する男子100メートル決勝は、女子マラソンと同日の8月2日に行われ、こちらは日本のゴールデンタイムとなる21時過ぎのスタートとなりそうだ。

女子テニスは大坂が決勝まで残れば...

   女子テニスでは、世界ランク1位・大坂なおみ(21)=日清食品=が日本代表としての出場が期待され、メダルの期待がかかる。その女子テニスのシングルスだが、予選は7月25日から始まり、第一試合は午前11時スタートとなる。組み合わせによっては、平日の18時までに大坂の試合が終わってしまう可能性はあるが、決勝は8月1日の土曜日午後に行われる予定で、大坂が決勝まで残ればビジネスパーソンのテレビ生観戦が可能となる。

   また、柔道とともに日本の「お家芸」である体操の決勝は、平日開催ながらも日本のゴールデンタイムに合わせてスタート。金メダルが期待される男子団体は7月27日(19時~)、男子個人総合は7月29日(19時15分~)に行われる。種目別については8月2日から4日まで行われ、競技開始は17時となる。

   東京大会で新競技として採用されたスケートボードとサーフィンは、男女ともに午前スタート。08年北京五輪以来の3大会ぶりに復帰した野球は、7月29日から予選が始まり、閉会式前日の8月8日の土曜日19時から横浜スタジアムで決勝が行われる。野球は24年パリ五輪で正式種目から除外される見通しで、日本代表は、ぜひとも東京大会でメダルがほしいところだ。

   かつての五輪よりも午前決勝が増える東京大会。夏休みに入る学生は存分に自国開催五輪を楽しめそうだが、ビジネスパーソンにとってはあまりにも酷だろう。日中、仕事が手につかないビジネスパーソンが続出する事態も...。