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首位ヤクルト、ヤマ場はGW明けに? 元コーチ・野口寿浩氏に聞く「勝因」と「不安」

   ヤクルトは2019年4月18日、神宮球場で阪神と対戦し5-13の大敗を喫した。今季初先発・大下佑馬投手(26)が2回3分の1を投げて8安打6失点と大荒れの内容で降板。中継ぎ陣も阪神打線につかまり大量13点を許した。

   今季6敗目を喫したヤクルトだが、貯金「5」で2位巨人、中日に1.5ゲーム差を付けて首位を死守。ヤクルトの快進撃はどこまで続くのか。J-CASTニュース編集部は、昨年までヤクルトのコーチを務めていた野球解説者の野口寿浩氏(47)に聞いた。

   開幕から18試合を消化し、ここまで11勝6敗1分と、勝率.647で首位を走るヤクルト。DeNAと並びセ・リーグトップともいわれる重量打線は今年も健在で、101得点はリーグトップで、得点2位巨人の77点に24点差、さらに6位広島(52点)には倍近くの差を付ける。22本塁打は、25本の巨人に次いで2位につけ、主砲ウラディミール・バレンティン外野手(34)の19打点はリーグトップとなっている。

   投手陣に目を向けると、開幕投手を務めた小川泰弘投手(28)、ベテラン石川雅規投手(39)、高梨裕稔投手(27)らを先発の軸としてローテーションを。昨シーズンに続いて中継ぎ、リリーフ陣の健闘が目立ち、先発が完投したのは、4月16日の阪神戦の原樹理投手(25)ただひとり。それ以外は、梅野雄吾投手(20)、近藤一樹投手(35)、石山泰稚投手(30)ら細かい継投で勝利をつかんできた。

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「裏を返せば全体的に調子が落ちる時もある」

   開幕初戦、第2戦で連敗を喫したものの、その後の連敗はない。大きな連勝がない代わりに連敗をしない。先発が崩れても中継ぎ、リリーフが追撃を許さずに打線が援護する。これが今のヤクルトの強みといったところか。

   今シーズンのヤクルトについて野口氏は「現在、野手がトップギアを入れて頑張っています。1試合の平均得点をみても12球団でトップクラスです。ただ、打ち勝つにも限界があります。今は全体的に打撃陣の調子はいいですが、裏を返せば全体的に調子が落ちる時もあるということ。その時にどうやって勝つか。これが課題となってくると思います」と指摘する。

   開幕からの快進撃を打撃陣の「恩恵」という野口氏が不安視するのが、先発陣の不安定さだ。昨シーズンは、近藤、石山がフル回転し、近藤は74試合に、石山は71試合に登板。今シーズンもまた、「勝利の方程式」として勝ちゲームのマウンドを任される機会が多く見られ、昨シーズン並みの登板が見込まれる。

気になる先発陣、どこまで踏ん張れる?

   このような状況に野口氏は「開幕から中継ぎ、リリーフ陣はよく頑張っていると思いますが、先発陣は決して良くありません。今は打撃陣が好調なので勝っていますが、この調子のままシーズンが続くとは考えられません。打線の援護がなくなった時に踏ん張らなければならないのが先発陣です。ただ、今の先発陣にその力があるかといえば疑問と言わざるを得ないでしょう」と自身の見解を示した。

   野口氏は、序盤戦のひとつのヤマがゴールデンウィーク明けに来ると指摘する。ヤクルトは4月27日から5月8日まで12連戦を予定している。

「連戦の後のゴールデンウィーク明けは疲労がどっと出る時期ですので、ここがひとつのヤマ場となるでしょう。打撃陣も開幕からトップギアできていますから体力的にもきつくなると思います。ここで先発陣がどうやって野手をカバーできるか。私はそこに注目しています」