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「県民の期待さめている。夢はどこへいったのか」 新潟メディア、NGTへの「失望」次々あらわ

   AKB48グループの中でNGT48は最も「地域密着型」の展開に成功したと考えられてきた。それだけに、山口真帆さん(23)らの卒業という結末が地元に与えた失望や悲しみは大きかったようだ。

   山口さんの卒業を伝える民放の女性アナウンサーは涙で声を詰まらせ、NHKも新潟ローカルで山口さんの卒業を字幕で速報。ウェブサイトにあいさつの全文を掲載し、地上波の画面にQRコードを表示して誘導した。地元紙の新潟日報も1面コラムで「『夢』はどこへいったのか」と嘆いた。

  • 卒業発表するNGT48の山口真帆さん。地元メディアにも失望が広がっている(c)AKS
    卒業発表するNGT48の山口真帆さん。地元メディアにも失望が広がっている(c)AKS
  • 卒業発表するNGT48の山口真帆さん。地元メディアにも失望が広がっている(c)AKS

女性アナウンサーは目を赤くして...

   卒業発表翌日の4月22日夕方、地元民放のBSNテレビは夕方のニュース番組「ゆうなび」のトップ項目で約6分間にわたって山口さんの卒業を特集。VTRが終わった直後に、司会の関根苑子アナウンサーが、山口さんは卒業発表の際に紙を持つ手が震えていたことを指摘し、

「あの場に立つことは本当に勇気が必要だったと思います。その気持ちが無駄にならないように、ぜひ大人には対応してほしかったな、と思いました」

と目を赤くして声を詰まらせながら訴えた。BSNは、3月までラジオで冠番組「NGT48のガチ!ガチ?カウントダウン!」を放送していたが、一連の事案を受けて「正常な番組内容で放送ができるようになるまで」放送を休止するとしていた。

   同じ時間帯のNHKの新潟ローカルのニュースでは、山口さんのあいさつを流す間、画面の左側に「山口さんのあいさつ全文はこちら」のテロップを表示。QRコードにアクセスして全文が読めるようにした。山口さんのあいさつは1700字以上に及び、最も注目された運営会社のAKS批判以外にも、卒業に至るまでの経緯、ファンや寄り添ってくれた仲閒への感謝、NGTへの思いなど、様々な要素を含んでいる。こういったことから、全文を紹介するのが望ましいと判断した可能性もある。

「熱気を大いに感じてもらおう」歓迎していた新潟日報は...

   地元紙の新潟日報は連日のようにAKSに批判が広がっていることを社会面などで伝えている。4月25日には、1面コラム「日報抄」でも山口さんの卒業を取り上げた。コラムでは、初代「はやぶさ」プロジェクトマネジャーだった川口淳一郎氏とAKB48の総合プロデューサー、秋元康氏が11年に「文藝春秋」で対談した際のやり取りを紹介。様々な方向を向いている人が結集して推進力になるのは「やっぱり『夢』」と説く秋元氏に対して、川口氏は、プロジェクトの出発点は「それぞれのエンジニアが持ち寄った『夢』なんです」と応じたという。こういったことを背景に、山口さんら3人の卒業について

「県民の期待もさめているようだ。NGTの支えとなってきたはずの『夢』はどこへいったのか」

と嘆いた。

   16年6月18日に新潟市内でAKB48グループの選抜総選挙が行われた際は、新潟日報は別刷りで総選挙を特集し、「日報抄」でも

「『応援する文化』が根付いているからこそ、AKB総選挙の開催地に選ばれた。日本中から集まったファンの皆さんには、新潟の熱気を大いに感じてもらおう」

と歓迎していた。この熱気はわずか3年で冷める結果になってしまった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)