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堀江貴文氏も思わず苦笑い 記者から「新ロケット名とゼロ戦の関係」質問

   元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏(46)が出資する宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズ(IST)の小型ロケットの打ち上げが成功したことを受け、堀江氏とIST社の稲川貴大社長(32)が2019年5月15日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。

   打ち上げに成功した「MOMO(モモ)」3号機は、5月4日早朝に北海道大樹町から打ち上げられ、高度113.4キロに到達。「準軌道(サブオービタル)」と呼ばれる形式の宇宙飛行で、民間単独のロケットとしては国内で初めて高度100キロの宇宙空間に到達した。今後は数年以内に、小型衛星を打ち上げるためのロケット「ZERO(ゼロ)」の打ち上げを目指す。記者からは、この名前の由来をめぐる意外な質問も飛びだした。

  • 記者会見する実業家の堀江貴文氏。宇宙事業には「私財で60億円以上投資」したという
    記者会見する実業家の堀江貴文氏。宇宙事業には「私財で60億円以上投資」したという
  • 記者会見する実業家の堀江貴文氏。宇宙事業には「私財で60億円以上投資」したという

著書に『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』

   「ZERO」では、重さ100キロ程度の小型衛星を高度500キロの軌道に投入すること目指す。堀江氏は、「ZERO」のミッションに成功すれば、先行する米ベンチャー企業「スペースX」といったライバル企業と「技術的には肩を並べる会社になることができる」と発言。「2~3年というタイムスパン」で実現したいとした。

   この「ゼロ」の由来について、ある記者は英語で

「特攻隊が使った飛行機は『ゼロ』と呼ばれていた。あなたのロケットも『ゼロ』と呼ばれているが、これは意図的なのか。偶然なのか」(編集部訳)

などと質問。堀江氏は「あーっと...多分全然違っていて...」と苦笑しながら、由来は13年11月に出版した。自らの著書『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』(ダイヤモンド社)にあることを明かした。堀江氏は11年6月から13年3月にかけて長野刑務所などに収監されていた。この経験を踏まえて出版された本で、堀江氏は

「0から1を造ることがいかに難しいか、どんなに人間は失敗しても、ゼロにしかならない、マイナスにはならない、といったことを書いてるんですけど、これはベストセラーになって...。(『ゼロ』は)ここから割とつけられている名前だと思います」

などと説明した。

私財で60億円以上投資して、何とか...

   堀江氏は会見冒頭、宇宙事業への取り組みについて、

「ライブドア時代から結構試行錯誤しながら投資しており、多分、私財で60億円以上投資して、何とかサブオービタルのロケット打ち上げまでたどり着いた。非常に感慨深い」

とふり返りながら、

「実は宇宙開発の障害になっているのは価格だった、ということに注目している。ここで価格破壊を起こすことによって、宇宙をより身近に、宇宙にものとか人を沢山送り込めることが可能になる」

などとして、ロケットを打ち上げるビジネスは「日本にとってはめちゃくちゃ大きなチャンス」と訴えた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)