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NGTは「自らの真実を捨て」たのか 山口真帆が卒業公演セトリに込めた意味

   ファンを名乗る男に暴行被害を受けたNGT48の山口真帆さん(23)ら3人が2019年5月18日、NGT48劇場(新潟市)で卒業公演に臨んだ。卒業するメンバーで山口さん以外に出演したのは、山口さんが事案をツイッターで告発してからも「寄り添ってくれた」と明言していた菅原りこさん(18)、長谷川玲奈さん(18)。

   山口さんらはファンや関係者への感謝を口にし、これまでツイッターなどで繰り返してきた運営会社のAKSへの批判は「封印」した。ただ、セットリスト(曲順)に込めたメッセージをめぐり、早くもファンの間で波紋が広がっている。特に注目されているのが終盤に披露した欅坂46の「黒い羊」。歌詞には「自らの真実を捨て 白い羊のふりをする者よ」という思わせぶりな一節もある。

  • NGT48の山口真帆さん(2017年6月撮影)
    NGT48の山口真帆さん(2017年6月撮影)
  • NGT48の山口真帆さん(2017年6月撮影)
  • 山口真帆さんらの卒業公演では欅坂46の「黒い羊」も披露された(c)AKS

「僕だけがいなくなればいいんだ そうすれば止まってた針はまた動き出すんだろう?」

 

   公演では、2時間30分をかけてアンコール含めて全15曲を披露。3人のために新たな衣装も製作され、総合プロデューサーの秋元康氏が3人のために「太陽は何度でも」を書き下ろした。

   序盤では、「ハート型ウイルス」「キャンディー」などのAKBの「王道アイドルソング」が次々に披露された。終盤には、1期生の角ゆりあさん(18)、日下部愛菜さん(17)、小熊倫実(つぐみ)さん(16)、2期生の高沢朋花さん(15)、ドラフト3期生の高橋七実さん(17)が登場。山口さんによると、この5人は「出たいと連絡してくれて、自分の思いを伝えてくれた」メンバーだ。「黒い羊」はアンコール前の本編最後に、8人で披露された。歌詞は

「そうだ 僕だけがいなくなればいいんだ そうすれば止まってた針はまた動き出すんだろう?」
「自らの真実を捨て 白い羊のふりをする者よ 黒い羊を見付け指を差して笑うのか?」

といった内容で、NGTが置かれた環境と重ねて受け止める人も多かった。

「世間に発表してから、これまで私に助けを求めていたメンバーも他人事に」

 

   NGT48というグループそのものや、卒業公演に出演しなかったメンバーとの溝が垣間見える場面もあった。披露された15曲のうち、NGTの楽曲は1曲目の「MAXとき315号」のみ。卒業する3人が互いに向けて手紙を読み合う場面では、山口さんは長谷川さんについて

「玲奈はずっと私を支えてくれました。(暴行事案を)世間に発表してから、これまで私に助けを求めていたメンバーも他人事になったことに、玲奈は『許せない』って怒ってくれました」

と感謝し、菅原さんについては、卒業の意志がきわめて固かったことを紹介。やはり

「私のために怒ってくれることが嬉しかったです」

と話した。

   ケガでパフォーマンスを披露できなかった2期生の渡邉歩咲さん(18)も、出演者がステージで読み上げる手紙を手渡す役として登場。NGTに残留するメンバーで、山口さんが唯一「寄り添ってくれた」としていた村雲颯香さん(21)も、ステージ上で3人にプレゼントを渡したり、手紙を読み上げてメッセージを送ったりした。村雲さんは「大切なみんなのことを守れなくてごめんなさい」と無念さをにじませた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)