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阪神OBが指摘する「浮上のカギ」 交流戦で差を付けるには...

   阪神は2019年5月19日、甲子園で広島と対戦し1-5で敗れ広島戦3連敗となった。先発・秋山拓巳投手(28)が2回までに3点を失い、5回9安打5失点で降板。打線は8回まで沈黙が続き、9回に中谷将大外野手(26)のタイムリーで1点を獲得するも後が続かず。チームは3連敗も勝率5割でヤクルトと同率で並び3位を死守。3ゲーム差で首位・巨人を追う展開となった。

   広島3連戦の初戦となった17日のゲームは、先発・西勇輝投手(28)が8回3失点と踏ん張りながらも9回にリリーフ陣が広島打線につかまり7点を失って2-10で敗戦。阪神OBで野球解説者の野口寿浩氏(47)は阪神の継投策に関して「ベンチの判断は間違っていかったと思います」と話し、次のように続けた。

  • 阪神の本拠地・甲子園球場
    阪神の本拠地・甲子園球場
  • 阪神の本拠地・甲子園球場

「西投手の8回続投は決して判断ミスではない」

「西投手は球をコーナーに散りばめ非常にいいピッチングをしていました。あの試合は西投手だからこそ終盤まで接戦の状態にあったと思います。8回にジョンソン、9回にドリスを起用する策もあったかもしれませんが、あくまでも結果論であって、球数からいっても西投手の8回続投は決して判断ミスではないと思います」

   第2戦目は8安打を放ちながらも好機にあと1本が出ずに完封負け。第3戦は8回までゼロ行進が続き、ようやく9回に1点を返した。この3連戦ではいずれも広島に先制点を許し、阪神が追う展開。野口氏は「阪神は投手陣が良いので、先手を取って逃げ切る勝ちパターンに持っていきたい。先制点を許してしまうと、どうしても後手に回ってしまいますから」と話す。

   開幕からここまで44試合を消化。ゴールデンウィークは怒涛の12連戦となり、選手の疲労はひとつのピークを迎えている。6月4日にはセ・パ交流戦が開幕。過去のケースから見ても交流戦の結果次第では順位が大きく入れ替わるケースも見られ、中盤以降のペナントを占う上でも重要な戦いとなる。

「いかに体力を保ち、回復させるか」

「私の経験からいえば、この時期はキャンプで蓄えた体力的な貯金を使い果たす時期でもあります。6月の交流戦に向けていかに体力を保ち、回復させるかがカギになると思います。ベテランの選手は毎年経験していますが、ルーキーの近本選手や木浪選手は、初めての経験になるので、コーチの方や先輩方に対処法を聞くのもいいと思います。私は阪神時代、この時期の体の鍛え方を達川(光男)コーチに相談し、体力を保つために練習中や試合の合間によく走りました。近本選手や木浪選手には、この時期の自分なりの調整法を早く見つけてほしいです」(野口氏)

   昨シーズン、交流戦前までリーグ最下位だったヤクルトが交流戦でパ・リーグ5球団に勝ち越し、12勝6敗で交流戦優勝を飾り、一気にリーグ2位に浮上。ここで弾みを付けたヤクルトは、その後も順位を落とすことなく、勝率.532のリーグ2位でペナントレースを終えた。

「どのチームにも言えることですが、交流戦は一気に順位を上げる絶好の機会です。セ・リーグの上位は今、団子状態ですので、阪神もトップを狙える位置に付けています。この2週間は交流戦に向けて備える意味でも重要な戦いになります。交流戦までは最低でも5割でいきたいところです。そうすれば今の阪神の実力からいって、交流戦で首位に立つことも十分に可能だと思います」(野口氏)