J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

文科省「情報I」教員向け教材に思わぬミス 松岡修造ツイッターのつもりが...「修造bot」でした

   文部科学省は、2022年度から高校の必修科目となる「情報I」の教員向け研修用教材を公開した。コンピュータの仕組みやプログラミングなど授業に必要な知識を教員が解説するための教材である。公開されると、ネット上では「Pyhonがガチの一般教養になるやん」「日本が変わる予感しかしない」など資料内容の豊富さに驚く声が。

   だが一部の声に、「めっちゃわらってしまった」「修造bot笑」とある。どういうことなのか。

  • ミスのあった箇所のスクリーンショット
    ミスのあった箇所のスクリーンショット
  • ミスのあった箇所のスクリーンショット

分析データ元を間違える

   教材には、基本的なコンピュータの仕組みやネット利用の情報モラルからプログラミングやデータ分析といった専門的な分野まで含まれている。主な目的が教員研修のため、指導上の注意点や参考文献なども記載。2019年5月15日、文科省がサイト上で公開し、また印刷した見本冊子を各都道府県の教育委員会に2部ずつ配布した。

   プログラミングの章では、機械学習やディープラーニングができるプログラミング言語「Python」や英国BBCが中心となって開発した教育用の小型コンピュータ「micro:bit」などを用い学習するなど、資料としての豊富さが目立つ。

   しかしこの教材にミスがあった。

   ネットワークなどを学ぶ章の「学習23『質的データの分析』」に「(3)テキストデータの可視化」という項目が用意されている。この項目は、日本語のテキストマイニングの基本について考え、実習するものである。日本語をデータとして分析することで、データの中からよく使用される単語や、単語同士の関係性を示すことができる。教材ではユーザーローカル(東京都港区)がWeb上で提供しているツールを使用。

   その例として「元テニスプレイヤーの松岡修造さん」のツイッターの発言データを用いてデータ分析結果を提示した。図表には「おい」という言葉を中心に「やれる」「がんばれる」「そうだ」「君」「できる」といった名詞や動詞、感動詞などが円状に広がっている。

指摘を受けて松岡さんの事務所に確認すると...

   しかし文科省が引用したツイッターのアカウント、実は「修造bot」という松岡修造さんの過去の発言や、松岡さん風の「ネタ」発言をつぶやくアカウントだったのだ。このアカウント名が「@shuzo_matsuoka」、フォロワー数も30万人超と一見すると本人かと思ってしまうが、松岡修造さん自身はツイッターを行っていない。またオフィシャルサイトにもアカウントは記載されていないのだ。

   文科省は5月22日に資料にミスがあった当該箇所を訂正、差し替えを行った。

   「松岡修造さんの事務所に確認をとり、『(ツイッターアカウントは)ご本人のものではない』という確認とご理解を得て、資料を差し替えました」とJ-CASTニュース編集部の取材に回答。

   また差し替えられた教材には、ユーザーローカル社がテキストマイニングのサンプルとして用意している太宰治の「走れメロス」を使用。「ユーザーローカル社にも連絡をし、載せていただきますと確認をとり、差し替えを行いました」と文科省情報教育・外国語教育課の担当者は答えた。