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「1億5000万円の代打要員」中島が迎える正念場 交流戦で結果残せるか

   巨人の中島宏之内野手(36)が正念場を迎えている。甲子園での阪神戦が雨天中止となった2019年5月28日、中島は甲子園の室内ブルペンで打撃練習を行った。

   スポーツ紙の報道によると、原辰徳監督(60)が約1時間にわたって打撃指導を行ったという。報道陣を完全シャットアウトするという異例の「非公開練習」。原監督の指導内容は明らかではないが、指揮官の熱い思いが伝わってくるものだった。

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打率2割届かず、死球騒動でも...

   中島は昨オフ、オリックスから年俸1億5000万円(金額は推定)の1年契約で巨人に移籍。2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で一緒に戦った原監督の強い要望があって巨人が獲得に動いたとされる。原監督の並々ならぬ期待を背負っての移籍となったが、現状、ここまで年俸に見合う結果は残せていない。

   5月28日現在、29試合に出場し、打率は.194と2割に到達していない。開幕からここまでスタメン出場したのはわずか6試合のみで、1億円プレイヤーが代打に甘んじている。36歳のベテランには成績の他に若手への指導や、若手の模範になるような振る舞いが期待されているが、5月24日の広島戦の「行為」がG党のみならず野球ファンから不興を買ってしまった。

   2点を追う7回1死一塁、代打で登場した中島は死球を受けた。広島の一岡竜司投手(28)が投じた球は中島の左肩を直撃し、跳ね上がった球は頭部に当たりヘルメットが飛ばされた。一岡は帽子を取って謝罪の意を示したものの、中島の怒りは収まらずマウンドの一岡に歩み寄ろうとした。両軍ベンチから選手がグランドになだれこみ、あわや乱闘騒ぎに。危険球の一発退場となった一岡が、翌25日に改めて中島に謝罪したことで一件落着となったが、中島が取った行為は波紋を広げ、25日のゲームで打席に立った中島にブーイングが浴びせられた。

勝負は交流戦、とはいえ割って入る余地は...

   現時点で代打の切り札としての起用が多いが、中島にとって6月4日から開幕するセ・パ交流戦は存在感を示す絶好の機会となるだろう。昨シーズンまでオリックスに在籍し、西武時代を数えると、パ・リーグ在籍は15年となる。パ・リーグの投手を知る中島には首脳陣の期待も大きいだろう。原監督の熱血指導も、このような思いが込められてのものだったかもしれない。

   勝負所とする夏場に向けて、指揮官はここにきて打順を固定する意向を示している。5月26日には宇佐見真吾捕手(25)を1軍に昇格させ、打撃好調の大城卓三捕手(26)を今季初めて5番1塁でスタメン起用。2塁は山本泰寛内野手(25)が定着しつつあり、中島が置かれる状況はより厳しいものとなっている。

   在京球団の関係者は「中島は高い年俸であるゆえに周囲の目は必然的にきついものとなる。最近のバッティングを見ると、直球についていけていない場面が目立つ。本人は1年契約ということもあって焦りがあるかもしれないが、ここが正念場でしょう。パ・リーグをよく知る中島の存在はチーム内でも大きいはず。逆にここで結果を残せないようでは、チーム内での立場が苦しくなってくると思います」と指摘する。