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リーグワーストまで、あと「2」 14連敗ヤクルト、記録更新なら小川監督の進退も...

   ヤクルトの「投壊」が止まらない。ヤクルトは2019年5月30日、神宮で広島と対戦し0-13の大差完封負けを喫した。

   先発・小川泰弘投手(29)が5回途中9安打7失点で降板。中継ぎ陣も踏ん張れずに6点を失い、計16安打13失点の大敗を喫した。打撃陣は20歳の広島先発・山口翔投手に6回までノーヒットに抑え込まれ、計2安打の完封負け。これで14連敗となったチームの借金は「9」に膨れ上がり、最下位に転落した。

  • ヤクルトの本拠地・神宮球場
    ヤクルトの本拠地・神宮球場
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ここ6試合で失点「52」、防御率は4.71に

   初回、小川が3点を失うと、早くも神宮に暗雲が立ち込めてきた。毎回のようにランナーを背負う投球が続く小川。4回には野間峻祥外野手(26)、菊池涼介内野手(29)に連続安打を許し1点を失った。5回は先頭の鈴木誠也外野手(24)に四球を与え、1死1、3塁の場面で田中広輔内野手(29)にライト前に運ばれ1失点。1死1、3塁のピンチの場面で2番手・久保拓眞投手(22)にマウンドを譲ったが、久保は後続を抑えきることが出来ず、5回までに7点を失った。

   「惨劇」はこれで終わらなかった。6回からマウンドに上がった3番手・風張蓮投手(26)は2回4安打4失点。風張は2イニングで51球を強いられ、9回には4番手・山中浩史投手(33)が2点を失った。ここ6試合での失点は「52」で、チーム防御率はリーグワーストの4.71にまで落ち込んだ。

   悪夢の14連敗。1シーズンで96敗を喫した2017年以来となる屈辱だ。その2年前はシーズン中に故障者が続出し、明らかに戦力が不足しての戦いだった。選手会長でチームリーダーの川端慎吾内野手(31)が、キャンプ中に椎間板ヘルニアを発症。1軍出場なしに終わり、主砲ウラディミール・バレンティン外野手(34)やエース小川の故障もあった。「ヤ戦病院」と揶揄されるほど故障者が相次ぎ、チーム低迷の大きな要因となった。

小川監督にファンから「辞めてくれ」の声

   今シーズンは守護神・石山泰稚投手(30)が上半身のコンディション不良のため、5月上旬に登録を抹消され、新外国人投手アルバート・スアレス投手(29)が同じく上半身のコンディション不良のため戦線離脱。これに加え大下佑馬投手(26)も出場選手登録を抹消され、コマ不足の投手陣には痛手となったが、石山は5月29日のイースタンのロッテ戦で実戦マウンドに上がり復調をアピール。低迷する投手陣において希望の光ともいえるだろう。

   30日の試合は指揮官の采配以前の内容となってしまったが、ここまで「投壊」が続くと、必然的に小川淳司監督(61)をはじめとするコーチ陣に批判の矛先が向く。ネット上では、中継ぎ陣を酷使する采配にも批判が見られる。一部スポーツ紙の報道によると、30日の試合後にスタンドのファンから小川監督に向けて「辞めてくれ」との情け容赦ない言葉が飛び出したという。

   球団ワースト記録であり、セ・リーグワーストでもある16連敗まであと2敗。すでにシーズンの3分の1以上を消化し、残り試合は「90」。チームの復活を望むファンの声は多く、30日の試合には3万人を超すファンが球場に足を運んだ。ただ、このままチームの連敗が続き、復調の兆しが見えてこなければ、小川監督の「進退問題」にも発展しかねない。指揮官が正念場を迎えている。