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大阪の高校で「足蹴り」いじめ動画 学校に事情を聞いた

   大阪府内の私立高校の男子生徒とみられる人物が、教室やトイレで尻を足蹴りされたり、背中を押されたりする動画が、2019年6月中旬ごろからネット上で出回っている。

   ツイッターでは学校名も指摘されており、この高校の教頭は、J-CASTニュースの取材に対し、動画の存在を「把握している」と回答。いじめがあったことについても認めた。同校はこうした趣旨のお知らせ文を公式サイトに掲載している。

教室やトイレでのいじめ動画

   問題となっている動画の尺は、約30秒。校舎内の教室で男子生徒が別の生徒から尻を蹴られたりしているほか、トイレ内で数人の生徒に背中を押されたり、足蹴りされたりする様子が収められている。動画は、ツイッター上に投稿され、6200以上リツイートされている。

   教頭によると、被害者は1人、加害者が3人、動画を撮影した生徒が1人だという。

   動画が撮影された時期は、「確定できない状態」と説明。その後、関係者から学校側に相談があり、「生活指導部の方で事情聴取などをして収束を見たが、その後、ユーチューバーから(動画を)上げられた」と話した。動画が投稿された直後に一般の人から学校に連絡があり、動画を基にして事情を聴いていった。現在も聴き取りは続いているという。

   加害生徒3人は、いじめをやったことについて認めている。被害生徒はその後も学校に通っているという。

   今回の動画は携帯電話を使って撮影されていた。携帯電話の持ち込みについて学校側は許可しているが、校門に入ってからは電源を切るよう指導。敷地内に入ってから電源が入っている状態で持っていることがわかれば、預かっているという。

   学校の方では全校集会が開かれ、校長からは

「先生らは十分いじめに気を付けている状態であったが実際に発見することはできなかった。申し訳ない。(いじめについては)先生らは十分みてはいるけど、目の届かないところはあると思う。生徒の中でいじめられている、ちょっとつらいことがあるなど、雰囲気が変であるとか、ささいなことでもいいから、必ず報告に来てほしい。SNSについても撮らない、載せないことを徹底してほしい」

という話があった。ホームルームでも担任から徹底注意があったという。

   学校ではこれまでも人権教育講座を実施している。教頭は「何か方法を変えなければいけないかもわからないし、検討はこれからしていきたい」としていた。

学校の公式サイトにもお知らせ

   今回の動画拡散を受け、該当校は、公式サイトに次のようなお知らせ文を掲載した。

「今回のSNS動画内にある事象については、事前に内容を把握しており、事態の収拾に向けて対応を進めておりました。しかし、昨日第三者を通じての動画拡散された後、ネット上では学校の対応に問題があったのではないかとの憶測やデマがあり、該当生徒はもとより本校生も困惑している状態です。学校としては事の重大さを厳粛に受け止め、真摯に対応して参りますのでご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」

(J-CASTニュース編集部 田中美知生)