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メルペイが、コンビニ70%還元で狙う「金脈」とは?

   メルカリのキャッシュレス決済「メルペイ」が、セブン‐イレブンとファミリーマートで「最大70%還元」を実施し、消費者に強いインパクトを与えている。

   メルペイはゴールデンウィーク中にも、セブンでの「70%還元」を実施していた。しかし今回は、ちょっと条件が異なる。これらのキャンペーンは、どう違うのか。そして、その先にあるものは――。

  • メルペイが再び70%還元
    メルペイが再び70%還元
  • メルペイが再び70%還元

ユーザーごとに変わる限度額

   今回行われる「日本全国まるっと半額還元!」キャンペーンは、2019年6月14日~30日が対象期間。iD(アイディー)かコード払いをすると、その翌日に支払額の50%相当がポイントとして還元される。またセブンとファミマでは、その還元率が70%となる。還元は2000ポイントが上限のため、50%なら4000円、70%なら約2850円まで恩恵を受けられる。

   同様のキャンペーンは、4月26日~5月6日にかけても行われた。今回変わったのは、70%還元にファミマが加わったことと、還元上限が引き下げられたこと(前回は2500ポイント)。そして、「メルペイあと払い」で支払う必要があることだ。

   この「あと払い」は(厳密には違うが)クレジットカードのような仕組みと考えるとわかりやすい。チャージなしで買い物でき、その代金は翌月一括で支払える。4月23日に追加されたサービスで、手数料は月額300円だが、6月分は無料となっている。

   「あと払い」は、ユーザーの信用によって行われるため、クレカ同様に年齢制限(18歳以上)や限度額がある。限度額はユーザーによって変わり、公式サイトのヘルプによると「ご利用の都度、取引情報・利用状況などから審査をさせていただきます」とのことだ。ちなみに、筆者(30代男性、メルカリでの取引経験なし)は1万5000円が上限だった。

ヤフーも参入する「信用スコア」

   ここまで書いてわかるように、今回のキャンペーンはメルペイそのものではなく、そのオプションである「メルペイあと払い」の普及を目的としている。これが順調に進めば、メルペイは単なる決済サービスから、いわゆるビッグデータの一大企業になり得る可能性がある。利用頻度や取引情報は、ポイント還元分を差し引いても、価値のある「金脈」だろう。

   個人の社会的信用を数値化したものを「信用スコア」と呼ぶが、近年IT企業が続々とここに目を付けている。ヤフーは7月1日から、「Yahoo!スコア」を始める。これは本人確認、信用、消費、サービス利用度をもとに算出されるもの。スコア作成することで、ユーザーにはヤフーやパートナー企業から「特典」を得られることがメリットとして挙げられている。

   「個人情報は不用意に渡したくない」といった声は根強い。一方で「便利であれば多少の情報なら渡してもいい」と考える向きもある。お得だからと安易に飛びつくのではなく、自分が納得できる条件なのかをきちんと見極めてからの利用を心掛けたい。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)