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戦隊ヒーローショー出演者のセクハラ告発、「事実であれば誠に遺憾」 東京ドーム・東映エージエンシーが見解明らかに

   東京ドームシティ内にある舞台「シアターGロッソ」で公演する戦隊ヒーローショーに出演していた女性が、「セクハラ」などの被害を受け続けていたことをツイッター上で告発し、拡散されている。

   事態を受けて、同ショーを制作する東京ドーム(本社・東京都文京区)と東映エージエンシー(本社・東京都中央区)などは2019年6月24日、それぞれの公式サイト上で文書を発表。被害女性や関係各社に対し「ご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

  • 東京ドームが公式サイト上で発表した文書
    東京ドームが公式サイト上で発表した文書
  • 東京ドームが公式サイト上で発表した文書
  • 東映エージエンシーが公式サイト上で発表した文書
  • 東映が公式サイト上で発表した文書

「余計なことを言ったらもうお前に仕事を振らないぞ」と強く言われる

   女性はツイッターで23日、「シアターGロッソのお姉さんを卒業しました!」と報告し、「1年と少し、遊びに来てくれるお友だちの皆さんに出会えてとても楽しくお仕事させて頂きました! 本当にどうもありがとうございます」と感謝を伝えたが、卒業の理由として次のように「嫌がらせ」や「セクハラ」があったためだと告発した。

「どうして卒業したかというと、入った当初からの度重なる嫌がらせ(基本的に挨拶も無視、握手会中に水を掛けて妨害する、など)と、セクハラ(男性器のあだ名をつけて呼ぶ、すれ違い様にお尻を揉む、避けられない空間での卑猥な質問や直接的に胸を触る、など)に黙って1年耐えていたら」「それも不愉快だったのかゴールデンウィーク明けに『力不足なのでもう来なくていいです』と言われてそれっきりです。会社からは、余計なことを言ったらもうお前に仕事を振らないぞ、と強く言われていましたのでこれを発信するということはそういうことです」

   投稿は2万1000回以上リツイート。女性は「わたしの力不足に間違いありません」とするも、「しかしそれ以上に許してはいけないことが沢山ありました。特に性的な嫌がらせは、気にしていない、怒っていないフリをし続けなければいけませんでした」「降りかかる性的な嫌がらせを、気にせず笑って流せるのがよく出来た女だとも言われてきました。でも、平成も終わり令和の時代を生きる子供たちには、前時代的なハラスメントに苦しめられることなく、自らの権利を害されることなく生きて欲しいと思います。そんなヒーローに出会って欲しいと思います」と、繰り返されたセクハラに強く心を痛めていることも訴えた。

   また「『パワハラ、セクハラはただの冗談だから、そういう業界だから仕方ない』と散々言われてきました。お仕事が楽しかったのであれば、本当は余計なことを発信せずに黙って耐えておくべきなのかもしれません。ですが、どんな業界であれ次の世代のために変わらなければいけないと思っています」と業界内でセクハラが横行していることを示唆していた。

J-CASTニュースが関係各社に取材すると

   女性は誰からハラスメントを受けていたかなど、「加害者」に関する詳細は明かしていない。J-CASTニュースが24日昼、シアターGロッソを運営する東京ドームに取材すると、広報IR室担当者は「ツイッター上で被害の訴えがあったことは把握していますが、内容については事実確認中です」と答えた。女性は司会として18年3月17日からシアターGロッソでの戦隊ヒーローショーに出演しており、19年5月6日の公演を最後に出演しなくなったという。

   広報によると、女性は東京ドームに所属しているわけではなく、同ショーは東映エージエンシーと協力して制作している。そこで東映エージエンシーに24日取材すると、担当者は同様に「訴えがあったことは把握していますが事実確認中」とだけ話した。

   また、Gロッソでのヒーローショーに所属の司会者やスーツアクターを出演させている有限会社テクニカルアクターズクラブ(本社・東京都新宿区)は24日の取材に対し、女性について「当社に所属していましたが、ちょっと前に退職しました」と明かす。ツイッターでの告発についてはやはり把握しており「しっかり事実関係を確認します」と答えた。

   その後、東京ドームは24日夜までに公式サイトで「ヒーローショー運営におけるSNS上での訴えについて」と題する文書を発表。次のように謝罪した。

「このたび、東京ドームシティ シアターGロッソでのヒーローショーの運営におきまして、ハラスメント等の被害があったとSNS上での訴えがございました。この訴えの内容が事実であれば誠に遺憾であり、被害を訴えた方及びお客様にご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます」

   また、

「本ヒーローショーは、株式会社東京ドームが、株式会社東映エージエンシーに制作をお願いしているものであり、現在、当社としては事実関係の確認を進めているところでございます。結果につきましては、あらためてお知らせする予定でございます」

と今後再度アナウンスすることも伝えた。前出の同社広報担当は25日、この文書は女性の訴えについてのものであることを取材に認めている。

東映エージエンシーと東映もお詫び文を発表

   東映エージエンシーも24日に公式サイトで、

「このたび、東映株式会社と当社が制作しております、東京ドームシティ シアターGロッソでのヒーローショーの運営におきまして、ハラスメント等の被害があったとSNS上での訴えがございました。事実であれば誠に遺憾であり、現在、調査・確認に着手させていただいております。被害を訴えた方、お客様及び株式会社東京ドームをはじめとする関係各社様にご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます。確認結果につきましては、あらためてお知らせする予定でございます」

と同様に謝罪のうえ、確認中であることを発表した。

   東映(本社・東京都中央区)も24日、冒頭を「このたび、株式会社東映エージエンシーと当社が制作しております......」として東映エージエンシーと同様の文書を発表している。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)