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「黒いタピオカ」イカスミ着色のケースも アレルギー発症の心配は...コンビニ各社の見解を聞く

   黒いタピオカは、イカスミ色素で着色されていることもある――。インターネット上で、いまこんな話題が注目されている。

   きっかけは、甲殻(軟体)類アレルギーを持つという40代女性のツイート。タピオカミルクティーを飲んだところ、体調不良になったという投稿だった。

  • コンビニ大手三社のタピオカ飲料
    コンビニ大手三社のタピオカ飲料
  • コンビニ大手三社のタピオカ飲料

パッケージには「いか」記載

   女性は2019年6月27日、「ファミマのタピオカミルクティーを何気なく飲んで、急に体調不良...よく見たらタピオカにイカスミ色素が!」とツイッターで自身の体験を書き込み、「アレルギーの皆さん、気をつけてください...」と注意を促した。

   投稿は3万8000以上リツイート(28日現在)され、「これは怖い」「なぜイカスミ色素をタピオカに入れるの!?」と驚きが広がっている。

   女性は取材に対し、「普段加工食品の表示はかならず見るようにしていますが、今回はミルクティーを買ったつもりで、きちんと確認していませんでした。完全にノーマークでした」と振り返る。病院は受診しなかったが、いつもアレルギーを発症する時と同じ感覚を覚えたそうだ。具体的な症状として、頭ののぼせ、内臓の不調、吐き気などがあったという。

   J-CASTニュース編集部では、コンビニ大手3社の東京都千代田区内にある店舗で、タピオカ入りチルド飲料を買い求めた。「ほうじ茶黒蜜ラテ」は着色料に炭末を使っていたが、そのほかはすべて「イカスミ」だった。パッケージにはいずれも「いか」が含まれていると記載している。

<ファミリーマート>
・タピオカミルクティー
・ほうじ茶黒蜜ラテ
<ローソン・ナチュラルローソン>
・岩塩クリームタピオカミルクティー黒糖蜜入り
・タピオカチーズティー
<セブン‐イレブン>
・タピオカほうじ茶ラテ

   いかは、アレルギー症状を引き起こす可能性のある食品のうち、過去に一定の頻度で発症が確認でき、重篤な健康危害がみられるため、表示が推奨されている。消費者庁の「アレルギー物質を含む食品に関する表示指導要領」によると、いかには「イカスミ色素」と「タウリン(抽出物)」が含まれる。えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の7品目は、よりリスクが高く、表示は義務付けられている。

   なお、タピオカミルクティー発祥の店とされる「春水堂(チュンスイタン)」に取材すると、着色料にはカラメル色素を使っているという。多くのスーパーなどで販売されている乾燥タピオカ「ギャバン ブラックタピオカ」も同じ色素だった。

コンビニ大手各社の見解は

   ファミリーマートは今回の件を把握しているといい、「弊社では、法令を順守してパッケージに『いか』と記載させていただいています。ただ、よりわかりやすい表記も今後は検討していきたい」と話す。これまでアレルギーに関する健康被害は報告されておらず、セブン‐イレブン、ローソンも同様の回答だった。

   コンビニにタピオカ飲料を複数卸す「安曇野食品工房」でも健康被害は寄せられていないというが、いかのアレルギーを持つ消費者から「アレルギー反応は出るか」と問い合わせがあり、「喫食は控えていただいた方が良い」と答えたケースがあったという。なお、イカスミを着色料に使う理由は「黒い色がよりはっきり出るため」だとした。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)