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NGT信頼回復につながる? 「つながり防止」など対応策発表

   新潟を拠点に活動するアイドルグループ「NGT48」が公式サイトで、「一連の出来事を踏まえ、私どもが取り組んでいる対策など」について発表した。「メンバーのセキュリティ対策の強化」や「つながり防止」など7項目を挙げている。

   NHKは朝の全国ニュースでこの発表を取り上げつつ、NGT48のケースを例にファンとアイドルの「『近すぎる』距離感」に潜むリスクについて、特集として放送した。今回の発表が信頼回復につながるのか、との司会の質問に対して、担当記者は「未知数です」と、対策の具体化や運営会社による記者会見での取り組みの説明などが必要だ、との考えを示した。

  • NGT48を卒業した山口真帆さん(撮影はNGT時代の2017年6月)
    NGT48を卒業した山口真帆さん(撮影はNGT時代の2017年6月)
  • NGT48を卒業した山口真帆さん(撮影はNGT時代の2017年6月)

運営会社もコーポレートサイトを立ち上げ

   NGT48の公式サイトは2019年7月1日、早川麻依子・劇場支配人名で「ご報告」を公表した。当時メンバーだった山口真帆さん(5月に卒業)の自宅にグループのファンが押しかけてトラブルになった事態を受け、「今後は二度とこのような事態を招かぬよう、改善にベストを尽くしていく所存です」と表明した。

   具体策としては、(1)NGT48メンバーのセキュリティ対策の強化(2)送迎対策(3)つながり防止対策(4)NGT48メンバーのメンタルケアの体制強化(5)NGTメンバーと運営のコミュニケーション(6)運営面での意識改善の機会創出(7)活動の安心・安全のための毅然とした対応、の7項目を挙げている。

   項目ごとに、さらに数点の具体策が書かれており、たとえば「つながり防止策」では、「『私的領域(プライベートな空間)において特定のファンを優遇すること』等、ファンとの私的なつながりの定義の明確化と禁止ルールの遵守の徹底化」「SNSのDM返信のチェック体制構築」など5点ある。また、「セキュリティ対策の強化」には、「チケット受付における生体認証(顔)認証システムの導入の検討」(原文ママ)も含まれている。

   また、6月30日には運営会社AKSがコーポレートサイトを立ち上げ、米俳優のマシ・オカ氏らのアドバイザリー就任を公表。「(略)成長に見合ったガバナンスが欠如していたことの表れであり、深く反省致しております」などとする吉成夏子社長のメッセージも掲載した。

NHK記者「未知数です」

   NHKは7月1日の朝ニュース「おはよう日本」(総合)の7時台で、NGT48問題を取り上げた「『近すぎる』距離感 潜むリスク」の特集を約8分にわたり放送した。握手会のシステムを解説し、「握手券」を大量に入手することで、お目当てのアイドルと長時間の会話が可能になる状況を指摘した。特集後段で、今回のAKS・NGT48側の発表内容も伝えた。担当の古市啓一朗記者(NHK新潟)は、これまで批判が出ていた運営会社についての「信頼回復につなげることができるのでしょうか」との質問に対し、「まだ未知数です」と回答。今回発表された対応策を「より具体化」させ、「記者会見を開いて説明」して信頼を回復することが、グループの活動再開へ向けて「不可欠」だと指摘した。NGT48は一連の騒動をうけ、事実上、対外的な活動は休止状態となっている。

   NGT48サイトでの対策7項目発表を受け、ツイッターにはファンらの反応が寄せられている。傾向としては、「対策が遅すぎるんだよ」「過去の事件を清算しない限り、これからの対策とかをいくら打ち出しても信用は回復しないと思う」といった厳しい指摘が目につく。中には「遅すぎる対応ではあるが、早く信用を回復できるといいね」と、前向きな受け止め方を発信している人もいた。