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広島打線が不振、長野も2軍落ち... 「丸の代役」不在、駆け込み補強はあるのか?

   広島打線の不振が深刻さを増している。広島は2019年7月3日、マツダスタジアムでヤクルトと対戦し2-6で敗れた。先発ケーシー・ローレンス投手(31)が5回に突如乱れて5失点。打線はその裏に2点を返したものの、6回以降は打線が沈黙し2塁を踏むことすら出来なかった。チームは交流戦後、1分けをはさんで4連敗となり、首位・巨人との差は5ゲームに広がった。

   この日も打線の悪い流れを変えることが出来なかった。ヤクルト投手陣の前に散発5安打に打ち取られた。ヒットで塁に出ても次が続かない。この日、唯一の得点シーンとなった5回は、松山竜平外野手(33)の犠牲フライと、坂倉将吾外野手(21)の1ゴロの間に挙げたもの。好機で打線がつながらずにタイムリーが出ない。ここ最近に見られる広島打線の象徴的なシーンだった。

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昨オフ補強策のツケが今になって...

   交流戦後、6月28日のDeNA戦の3点が最高で、5試合の合計はわずか9点。1試合平均2点に満たない。7月2日の試合では、4回途中から18人連続アウトの屈辱。5月の大型連勝で見せた強力打線は影を潜め、白星どころか、この2試合ではヒットさえ満足に出ない状況に陥っている。

   シーズンは後半戦に入り、セ・パ両リーグでトレードがさかんに行われている。巨人や阪神は、緊急補強として外国人選手の獲得に乗り出すなど、リーグ優勝へ向けて大きく動き出した。広島は7月2日に下水流昂(しもずる・こう)外野手(31)と楽天・三好匠内野手(26)のトレードを成立させたが、あくまでも今オフ以降想定されるFA(フリーエージェント)に備えてのもので、リーグ4連覇を見据えての補強とはいえないだろう。

   広島は昨オフ、ドラフト以外に大きな補強を行わなかった。新戦力として加入したのは、2人の新外国人投手と楽天からトレードで獲得した菊池保則投手(29)、そしてFAで巨人に移籍した丸佳浩外野手(30)の人的補償として獲得した長野久義外野手(34)。この他はドラフトで獲得した新人と、育成契約の外国人くらいだ。

貯金は「14」から「2」へ

   今さらながら丸の抜けた穴は大きく、チームの得点力に直結している。当初は、丸が抜けても次なる選手が出てくるだろうと予想されていたが、ふたを開けてみれば、代役として期待された野間峻祥外野手(26)が、打撃不振から抜け出せず、長野に至っては出場選手登録を抹消され2軍に降格した。

   在京球団関係者は「広島は育成のチーム。選手を下から育ててチームを作り上げてきた。昨年のオフに大きな補強を行わなかったのもチーム方針なのでしょう。リーグ3連覇という自信があったのかもしれません。しかし、現状はかなり追い詰められています。トレードなり、外国人を獲得するなり、何らかの策を取らなければ、再浮上は厳しいでしょう」と指摘する。

   5月の快進撃を支えたサビエル・バティスタ外野手(27)も打撃不振のため7月3日に出場選手登録を抹消され2軍での調整となった。アレハンドロ・メヒア内野手(26)がバティスタの代わりを務めるが、その力はまだ未知数だ。最大「14」あった貯金も今や「2」まで減り、底が見えてきた。トレード、移籍が締め切られる今月末までに広島の「駆け込み補強」はあるのか。大いに注目される。