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KIMONO抗議署名、別目的に「流用」? 発起人発言でリスク浮き彫りに

   米タレントのキム・カーダシアンさん(38)が、補正下着ブランドに「KIMONO」と名付けて批判を受けた問題で、ネットの抗議署名には約14万筆が集まった。

   しかし発起人の女性が、署名を別のプロジェクトに流用する旨の発言をし、批判を集めている。

  • KIMONOの署名ページ
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「終了後に目的をすり替えるのはかなり悪質」

   キム・カーダシアンさんが2019年6月25日(現地時間)、補正下着ブランド「KIMONO」を発表したことを受け、署名サイト「Change.org(チェンジドットオーグ)」では抗議署名が立ち上がった。

   「KIMONO」の名称変更や商標登録申請の取り消しを求め、7月2日までに国内外から13万7000筆集めるなど大きな注目を集めた。

   同日には募集を終了し、発起人の女性は「#Kimono を守りきりました!」「またこのようなことが起こらないように次のステップ:着物の無形文化遺産への登録をするためにみなさんのお力添えをお願いすることがあるかもしれません」とサイトに書き込んでいた。

   キム・カーダシアンさんは1日、この名称を撤回すると発表している。しかし、商標登録については触れなかった。

   批判を集めたのは、署名の発起人である女性が3日にツイッターで「署名を持ってユネスコへの無形文化遺産登録を目指そうと思っています」と、集まった署名を別のプロジェクトに「流用」する計画があると明かしたためだ。

   投稿には、「まだ商標登録の件が片付いてないのに署名の募集を締め切り、署名活動の終了後に目的をすり替えるのは、かなり悪質ではありませんか」「集めた個人情報を許可なく他の目的に使用する事はおやめください」「私は着物を世界遺産にしたいと思って署名した覚えは全くありません」と批判が殺到した。

女性「不用意だった」と謝罪

   発起人の女性は批判を受け、署名ページで「色々不慣れな為、私の不用意な発言で不快な思いをさせてしまった皆様大変申し訳ありませんでした。心からお詫び申し上げます」と謝罪。着物文化のユネスコ無形文化遺産登録を目指す場合、署名プロジェクトを別途立ち上げると明言した。また、募集を終了した前述の署名活動は、「万一の時には」再開の可能性もあるとした。

   チェンジドットオーグは募集時および終了後でも、署名ページの「見出し」「本文」「画像」を編集することができる。今回の事例からは、署名の流用のリスクが浮き彫りになった。

   チェンジドットオーグ広報は4日、J-CASTニュースの取材に、流用された場合は、(1) 賛同直後に受信したメールや問合せフォームから賛同を取り消す(2)運営に報告する――の2つがあるという。

「署名キャンペーンに関する報告や問い合わせがあった場合は、直ちに状況を把握し、適切な対応を行うようにしています。状況に応じて、編集後の見出し・本文・画像を元に戻す、署名発信者のアカウントを削除する、問題が生じている署名キャンペーンを削除するなどの対応を行うことがあります」
「署名キャンペーンページの編集に関しては、署名発信者が状況が変化する中で適切な情報にアップデートしたり、間違った情報をユーザーからの指摘により修正することを可能にする機能でもあり、その自由は悪用されるリスクと隣り合わせのものです。ユーザーからの声や状況を見ながら、誰もが声をあげられるサービスの提供に努めて参りたいと思います」