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石川遼、3年ぶりの劇的な逆転優勝 1日36ホール異例決戦は「ハニカミ王子」になった時も

   石川遼は1日で2日分を回る36ホール勝負に強い。2019年7月7日、鹿児島県指宿市のいぶすきゴルフクラブで行われた国内メジャータイトルの日本プロゴルフ選手権は、プレーオフの末、石川がハン・ジュンゴン(韓国)を逆転で破り、国内3年ぶりの優勝を飾った。

   石川はアマチュア時代の2007年、プロツアーのマンシングウェアオープン KSBカップで同じ1日で36ホールを回って優勝、一躍「ハニカミ王子」として有名になった。

  • 石川遼選手(2011年撮影)
    石川遼選手(2011年撮影)
  • 石川遼選手(2011年撮影)

「挑戦者のつもりで今日はやった」

   ロングホールの18番で行われたプレーオフ1ホール目。2打でグリーンに乗せた石川はイーグルパットを決めると、パターを放り投げ両手を大きく広げた。大空に向かって一言叫ぶと溢れる涙をぬぐった。

   今大会は初日が悪天候でプレーができず、最終日のこの日は2日分の36ホールを回るという異例のゲームとなった。16番までハン・ジュンゴンが2位石川に2打差をつけてトップを走り、石川には優勝が困難にみえていた。しかし、17番のショートホールでハンのボールが池に。1メートル余りのボギーパットも外してダブルボギーとし、石川と並んだ。最終18番はともにバーディーで13アンダーと並び、「37ホール」目のプレーオフへ。

   互いに2オンでパター勝負となり、ハンがイーグルパットを外したのに対し、石川のボールはギャラリーの歓声のなか、ホールに吸い込まれた。石川は右手でガッツポーズ、大空を仰いだ。

   石川は優勝インタビューで「挑戦者のつもりで今日はやった。みなさんのおかげです」と喜びを語った。

   石川は08年にプロ転向。13年から米ツアーにも本格参戦した。しかし、腰を痛めるなどして日本に戻ったが、症状は全快せず、今季も出場が限られていた。そうした苦しさを思い出してか、「10代の頃とは体も違う。(優勝まで)長かった」と感慨深げに語った。