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なぜ三好の代走に田中を... 運を自ら手放した緒方監督の「頑なすぎる」采配

   リーグ4連覇を目指す広島が自力V消滅の危機に瀕している。

   広島は2019年7月10日、ナゴヤドームで中日と対戦し1-2の逆転負けを喫した。5回まで中日先発エニー・ロメロ投手(28)にパーフェクトに抑えられていた広島は6回、楽天から移籍したばかりの三好匠内野手(26)の2塁打を機に先制。広島先発クリス・ジョンソン投手(34)が7回4安打無失点の好投を見せたが、後を継いだ2番手カイル・レグナルト投手(30)が2つの押し出しで自滅した。

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三好の2塁打で流れ引き寄せたのに...

   ついに交流戦後、勝ち星なしで前半戦を終了した。チームは交流戦後、1分けを挟んで20年ぶりとなる泥沼の11連敗。最大「14」あった貯金もいまや借金「5」に転落した。首位・巨人と11ゲーム差の4位ターンでシーズンを折り返し、早ければオールスターゲーム明けの7月16日にも自力優勝の可能性が消滅。球団初のリーグ4連覇はもはや風前の灯火となった。

   楽天から移籍後、初のスタメン出場となった三好は、不振にあえぐ広島の「救世主」になり損ねてしまった。ロメロに完全に封じ込まれていた6回、先頭・三好は134キロのチェンジアップをたたき右中間を破る2塁打。チーム初安打をマークし、反撃のノロシを挙げたその次の瞬間だった。緒方孝市監督(50)は三好に代えて田中広輔内野手(30)を代走に送る采配を見せた。

   6回は2つの内野ゴロの間に田中がホームに生還して先制点を挙げた。先制点がほしい場面で田中の走力を買っての代走起用だったのだろうが、チーム初安打を放ち試合の流れを引き寄せた三好はまさにラッキーボーイだった。しかもまだ6回で、9回までに最低あと1打席は回ってくる。案の定、7回に2死1、3塁の絶好の場面で7番に回ってきた。打席には代走出場の田中が立ち、1ゴロでランナーを返せなかった。

「三好を代えなかったらどうなっていたか...」

   ここまで打率.195の田中を頑なに起用し続ける指揮官。移籍後初安打を放ち、チームに勢いを付けた三好の交代に鯉党の怒りは沸点に到達しようとしている。これまでネット上では田中の起用法を巡って指揮官に向けて批判が相次いだが、この日の三好の交代劇にはさすがの鯉党も批判を通り過ぎ「静養」を勧める声が多く寄せられた。広島の黄金期を支えてきたベテランの起用法について、在京球団関係者は次のように指摘した。

「三好に代走を送った場面は、さすがに疑問を感じずにはいられませんでした。新戦力がしっかり仕事をしたにもかかわらず、あそこで田中を代走に送る理由を見つけるのは難しい。あれが9回ならば話は分かりますが、まだ6回でしたし、両チーム得点ゼロでしたから。試合では運も重要な要素です。ツイてる選手は何かをやってくれます。結果論ですが、7回の攻撃をみると、三好を代えなかったらどうなっていたかと思ってしまいます」

   指揮官自ら「運」を手放してしまった形で、再び悪い流れを引き寄せてしまった。歯止めがかからない黒星の連鎖。ウサギのシッポは視界にとらえることが出来ないほど、ずっと先を行く。世間はこれから暑い盛りとなるが、広島のチーム状態は寒さを増す一方だ。15日から2位DeNAと3連戦で後半戦の幕が上がる。