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金属に見えるけど、実はプラスチック 「EATMINT」のパッケージは、なぜ賞をもらった?

   見た目は金属、実はプラスチック――。そんな見た目のミント菓子のパッケージに注目が集まっている。

   ミント菓子は、コンビニなどでもすっかり常連となった。会議やデートの前など口臭が気になる時や、ちょっとしたリフレッシュのために愛用している人も少なくないはず。だが今回、注目を集めているのは菓子のパッケージだ。

  • EATMINT。光沢感あるパッケージだが実は…?
    EATMINT。光沢感あるパッケージだが実は…?
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菓子パッケージでの全面採用は業界初

   ミント菓子のパッケージには一般的に金属が使われる。ところが、ロッテ(東京都新宿区)が2017年に発売した「EATMINT」は手に持ってみると一見金属のようだが、見た目よりも軽く感じる。実際に、重さは約22グラム。というのも、このパッケージはプラスチック製なのだ。

   同パッケージは、光沢や艶消しを表現する「加飾フィルム」を金型に挿入した状態で樹脂を充填し、容器を成形する。そのため容器全面に凹凸表現や光沢感のある美粧性の高い印刷表現ができる。携帯電話の外装部品や、ダッシュボード周りの装飾など自動車部品の製造に使われていた「フィルムインサート成形」と呼ばれる同技術を、菓子パッケージの全面に採用したのは業界で初めてだという。

   さらに蒸着フィルムを使ってメタリック調を再現し、本物の金属と見間違うようなプラスチック容器に仕上げた。

見た目だけではなく...こんなメリットも

   凸版印刷が開発した同パッケージは、充填の際に異物混入を検出する金属探知機に対応可能で、製品検査の利便性も高めた。一般的なミント菓子の容器に多い金属缶は、探知機が金属容器に反応してしまうため金属探知機が使えなかったそうだ。

   そうした技術が評価され、ロッテと凸版印刷は6月、日本包装技術協会が包装技術の研究・開発に顕著な業績をあげたものに贈る「第43回木下賞」の包装技術賞を受賞した。

   ミント菓子市場では金属缶入り商品が増加しており、ロッテは商品開発をするにあたって他社商品との差別化が課題だったという。凸版印刷は「EATMINTブランドのモチーフとなる氷山を模した難易度の高い鋭い稜線形状の再現も可能とし、プラスチック容器でありながら意匠性の高い商品として他社との差別化に成功した」としている。