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ついに日本上陸のメルセデス初EV「EQC」 ライバル「リーフ」と比べると...

   メルセデス・ベンツ初の量産電気自動車(EV)「EQC」が日本国内で発売される。

   EQCは前後の車軸(アクスル)に1個ずつモーターを搭載したAWD(全輪駆動車)で、メルセデス・ベンツは「SUV(スポーツタイプ多目的車)とSUVクーペの中間に位置するクロスオーバーSUV」と説明している。

  • メルセデス・ベンツが日本発売するEQC(プレスリリースより)
    メルセデス・ベンツが日本発売するEQC(プレスリリースより)
  • メルセデス・ベンツが日本発売するEQC(プレスリリースより)
  • 内部構造(プレスリリース)

航続距離400キロ

   EQCの最高出力は前後2モーターの合計で300KW(408PS)、最大トルクは765N・mを誇る。通常はフロントモーターのみの前輪駆動で走行し、走行状況によってリアモーターを駆動する。「前後のトルクを可変的に調整することで、AWDの優れたドライビング特性が得られる」という。

   航続距離の鍵を握る電池は、容量80KWhのリチウムイオンバッテリーを前後アクスル間のフロアに低く搭載。より現実の走りに近いWLTCモードで400キロの航続距離を実現した。

   この航続距離はEVの世界的ベストセラーである日産リーフE+の458キロにはかなわない。EQCはリーフ(E+で62KWh)を上回る容量のバッテリーを積むものの、車両の重さや出力の違いなどから、航続距離は伸びなかった。もっともEQCは、最高出力160KW(218PS)、最高トルク340N・mのリーフE+とはそもそも車格が違うといえば、それまでだ。

   EQCのメーカー希望小売価格は標準仕様の「400 4MATIC」で1080万円となり、日産リーフE+(416万円)の2倍以上。日本で発売するEQCはリーフと同様、50KWまでの直流急速充電器(CAdeMO規格)に対応している。このためメルセデス・ベンツ日本は日本全国約2万1000基の充電器が1年間無料とするサービスを行うという。

メルセデス参入で広がるEVの選択肢

   EVはバッテリー容量が大きくなるほど航続距離は伸びるが、満充電まで時間がかかるデメリットがある。また、リチウムイオンバッテリーは携帯電話と同様、充電と放電を繰り返すうちに劣化するため、走行すればするほど航続距離が短くなることを覚悟しなければならない。メルセデス・ベンツ日本はEQCのバッテリーについて「8年または16万キロ以内で、バッテリー残量が70%に満たない場合は保証する」という。「新車登録から8年または16万キロ以内の保証」は日産リーフと同じだ。

   日本では現在、エンジンを持たない純粋なEVとして日産リーフ、三菱自動車の「i-MiEV(アイ・ミーブ)」(バッテリー容量16KW時)、米国テスラの「モデル3」(バッテリー容量は非公表)、独フォルクスワーゲンの「Eゴルフ」(35.8KW時)、独BMWの「i3」(33KW時)などが購入できる。メルセデス・ベンツが日本市場に加わることで、EVの選択肢が一段と広がることになる。

   メルセデス・ベンツ日本は7月18日からオンラインストアで特別仕様車「EQC Edition1886」の商談予約を開始し、10月以降に納車。標準モデル「400 4MATIC」の納車は2020年春になるという。