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手放しより気になるのは「R」だ!新型スカイラインが刻む「新たな歴史」

   日産自動車が2019年9月に発売する新型スカイライン。高速道路上でドライバーがステアリングホイールから手を離しても同一車線を走行する先進運転支援技術「プロパイロット2.0」を搭載したのが、その大きな特徴だ。

   高速道路の同一車線を手放しでも自動的に走行する運転支援技術の搭載は世界で初めてという。

  • ベールを脱いだ新型スカイライン。画像は「GT Type SP」
    ベールを脱いだ新型スカイライン。画像は「GT Type SP」
  • ベールを脱いだ新型スカイライン。画像は「GT Type SP」

大手メディアでは扱い小さいけど...

   プロパイロット2.0は、自動運転に近いシステムで、高速道路で目的地をカーナビに設定すると、ドライバーが前方を注意して直ちにステアリングを操作できる状態にある限り、同一車線内でハンズオフ(手放し運転)が可能になる。高速道路走行中、追い越しが必要な場合はクルマがドライバーに追い越しを提案。ドライバーが必要と判断すれば、自動的に追い越しを行なう機能もある。

   7月16日に発表されるや、大手マスコミは新型スカイラインについて、世界初となる先進運転支援技術の搭載を大きく取り上げているが、モーターファンにとって、もう一つの大きなニュースは「スカイライン史上最高の400馬力」となる「400R」の誕生だろう。大手マスコミの扱いは小さくとも、久しぶりに「R」(スカイラインでは伝統的にレーシングの意)の文字を冠したスポーツグレードの誕生は見逃せない。

   スカイライン400Rは3リッターのV型6気筒ツインターボエンジン(新世代VR30型)を専用チューン。最高出力298KW(405PS)、最大トルク475N・m(48.4kgf・m)を発揮する。日産は「スカイラインGT-Rを含む歴代のスカイラインで最高出力。スカイラインに新たな歴史を生み出した」と豪語する。

「日産でRは特別な意味を持つイニシャルだ」

   しかし、スカイラインGT-Rから派生した現行の「日産GT-R」は、3.8リッターで最高出力357KW(485PS)、最大トルク588N・m(60.0kgf・m)を発揮し、当然ながら400Rを凌駕する。現行GT-Rはスカイラインの冠が取れたものの、「400Rが歴代スカイラインで最高出力」というのは「現行GT-Rを除いて」という条件が付くのは言うまでもない。やはりGT-Rは別格なのだ。

   それでも、久しぶりにスカイラインに「R」を冠したスポーツセダンが誕生したのは朗報だ。日産は「その名にRを冠するには特別な意味がある」「日産でRは特別な意味を持つイニシャルだ」と説明している。スカイラインが好きなエンジニアが開発したのは間違いない。

   400Rは全長4810ミリ、全幅1820ミリ、車両重量1760キロと大きく、決して軽くない。俊敏だった往年のスカイラインのイメージとは異なるが、後輪駆動のFRセダンとして405馬力を堪能できるのは魅力だ。

   トランスミッションはマニュアルモード付きの7速AT。ステアリングの動きを電気信号に置き換え、シャフトやリンク、電動油圧を介さずにフロントタイヤを操舵する「ステア・バイ・ワイヤー」システムも踏襲している。

   世界で日産だけが採用するこのシステムは、日産がスカイラインで初めて実用化したもので、スポーツモードなどクイックなハンドリングを楽しむことができる。今回は前モデルよりステアリングと電子制御シヨックアブソーバーの協調制御レベルを上げたようだ。大きくなったが、久しぶりにスポーツ心を持ったスカイラインが帰ってきたと言ってよいだろう。9月の発売が今から楽しみだ。