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トレード見送った原巨人、痛い「先発不足」 中継ぎ高木、田口の緊急昇格も?

   5年ぶりのV奪回に暗雲が立ち込めた。

   巨人は2019年7月31日、広島と対戦し2-3で敗れた。先発のドラ1左腕・高橋優貴投手(22)が初回に先頭・西川龍馬内野手(24)、2番・菊池涼介内野手(29)に連続本塁打を浴びていきなり2失点。3回には連続四球で1死1、2塁とし、4番・鈴木誠也外野手(24)にタイムリーを許した。高橋はここで降板となり、プロ最短となる3回途中KOで2軍降格が決定的となった。

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野手、中継ぎの補強には成功したが...

   連勝が「2」でストップし、2位DeNAとのゲーム差は再び3.5ゲームとなり、3位・広島とは5ゲーム差まで縮まった。オールスターゲーム後、14戦で5勝9敗と大きく負け越し、前半戦の貯金を食い潰す生活が続く。先発ローテーションの一角として期待がかかるドラ1ルーキーは5月6日のDeNA戦以降、白星はなく、巨人は先発の枚数が足りない状態にある。

   交流戦後、2度にわたるトレードで3人の投手を獲得し、さらに新外国人ルビー・デラロサ投手(30)を獲得したことで中継ぎ陣に厚みが増した。この日も日ハムからトレードで移籍した鍵谷陽平投手(28)が2番手としてマウンドに上がり無失点に抑え、9回2死2塁のピンチの場面でマウンドを任されたデラロサはサビエル・バディスタ内野手(27)を3塁ゴロに打ち取り追加点を許さなかった。

   昨オフは、丸佳浩外野手(30)、炭谷銀仁朗捕手(31)をはじめとし、野手中心の補強が続き、先発投手に関してはドラフト1位で高橋を獲得した他は手付かずの状態だった。シーズンに入ってから中継ぎ陣が安定せず、これを受けてトレードを行ったが、先発はいまだコマ不足が続く。楽天から先発要員として獲得した古川侑利投手(23)は7月24日のヤクルト戦でまさかの1回KOで即2軍降格となった。

「古川、高橋はまだ若く、しばらく時間がかかりそう...」

   後半戦、巨人は菅野智之投手(29)、山口俊投手(32)の両エースを中心としてローテーションを組んでいる。これに今村信貴投手(25)、桜井俊貴投手(25)、そして8月1日に先発を予定しているC.C.メルセデス投手(25)が続く。先発ローテーションを期待される高橋、古川、テイラー・ヤングマン投手(29)らが1軍のマウンドで結果を残せず、次々と2軍に降格していくなかで、原辰徳監督(61)はトレード期日終了日の7月31日に最後のカードを切ることなく、このままの体制でシーズンを戦い抜く決断をしたようだ。

   後半戦、いまいち波に乗り切れない原巨人だが、今後、先発陣をどのように立て直すのか。在京球団関係者は「もう補強はできないので、調子の良い中継ぎ投手を先発に昇格させるのが一番現実的でしょう。古川、高橋はまだ若く、しばらく時間がかかりそうだし、ヤングマンは精神面の弱さを露呈してしまった。左の高木、田口あたりを先発に回すのでは。いずれにせよ厳しい状態であることは間違いないです」と指摘する。

   8月2日からは2位DeNAとの直接対決を控え、この3連戦が後半戦最初の山場となる。23日からは東京ドームでDeNA3連戦、27日からは広島との3連戦を予定しており、ペナントレースを大きく左右する6戦となるだろう。1日の広島戦、2日からのDeNA戦の結果次第では首位陥落の危機にさらされる原巨人が正念場を迎えている。