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令和の球児の「お名前」、一番多いのは? かつては「大輔」フィーバーも

   第101回全国高校野球選手権が2019年8月6日、甲子園球場で開幕した。新元号「令和」最初となる今大会は47都道府県の49代表(北海道は南北、東京は東西)が出場し、頂点を目指して熱い戦いを繰り広げる。未来のプロ野球選手、MLB選手が、聖地・甲子園でどのようなプレーを見せてくれるのか。高校野球ファン待望の熱い季節がやってきた。

   夏の風物詩でもある甲子園は、これまで数々のスター選手を生み出した。王貞治氏、原辰徳氏、PL学園のKKコンビやイチロー氏など、日本を代表する選手を輩出する一方で、多くのアイドル的スター選手も誕生している。

  • 高校野球の聖地・甲子園球場
    高校野球の聖地・甲子園球場
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80年生まれの「大輔」は14人、翌年は18人

   甲子園の元祖アイドル選手として知られるのは三沢高のエースだった太田幸司氏(67)で、「大ちゃんフィーバー」を巻き起こした早実高の荒木大輔氏(55)もアイドル的人気を誇った。荒木氏の高校の後輩である斎藤佑樹(31)=日ハム=は「ハンカチ王子」として一世を風靡した。

   なかでも「後世」に影響を及ぼしたのは、荒木氏だろう。1980年夏の第62大会に1年生エースとして出場した荒木氏は強豪校を次々と倒して決勝に進出。決勝では愛甲猛氏率いる横浜高に4-6で敗れはしたものの、甘いマスクと高校生離れした投球が、野球ファンのみならず女性ファンをも魅了し、全国的なアイドルとなった。

   1980年といえば、「平成の怪物」松坂大輔(38)=中日=が誕生した年である。この年の9月13日に生まれた松坂の「大輔」という名は、荒木氏の名前から取ったという。松坂が高校3年の98年の夏の大会では、出場55校のベンチ入りメンバー880人中、実に14人の「大輔」が存在した。翌99年は出場49校の784人中18人もの「大輔」がいたのだ。

「大」は「大」でも別の名前がNo.1

   「大輔」と名付けられた球児のほとんどが、荒木氏の名前から取ったものだといわれている。荒木氏の人気がどれほどのものだったか、この現象をみればよく分かる。甲子園で「松坂フィーバー」が巻き起こってから21年。今大会の球児の中に「大輔」は果たして何人いるのだろうか。調べたところ、今大会の「大輔」は3人だった。一字違いの「大介」を含めると「だいすけ」は計4人となる。

   今大会出場するすべての球児は平成生まれで、名前も個性的なものが多く見られる。そのなかで、今大会において最も多かった名前を調べてみた。出場49校のベンチ入りメンバー882人の中で最も多かった名前は「大地」だった。98年の「大輔」には遠く及ばないが、8人の「大地」が出場している。

   それぞれの選手の名前の由来は様々だろうが、スポーツ選手で「大地」といえば、1988年ソウル五輪競泳背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地氏(52)を頭に浮かべる方は多いだろう。競技は違えどスポーツ選手として大成してほしいとの願いを込めて子息に「大地」と命名した親御さんもいたのではないか。

   今大会では、愛知代表の誉高の小泉純一郎選手(3年)が元首相と同姓同名で、兄の名前が小泉元首相の長男と同じ読みの「洸太郎(こうたろう)」ということで話題となった。高校球児の名前は、その世代を反映しているようで興味深いものがある。今後、「大輔」を超える名前は甲子園に誕生するのだろうか。今から楽しみである。

(J-CASTニュース編集部 木村直樹)