J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

野村続投、3番坂倉...緒方采配が裏目に 広島の自力V消滅

   広島のリーグ4連覇に黄色信号が灯った。広島は2019年8月14日、マツダスタジアムで巨人と対戦し、1-7で敗れた。先発・野村祐輔投手(30)が6回まで1失点の好投を見せたが、7回に巨人打線につかまった。打線は巨人先発の菅野智之投手(29)を攻略しきれず1得点。首位・巨人との3連戦で1勝2敗と負け越し、巨人とのゲーム差は4.5ゲームに広がり、自力Vの可能性が消滅した。

  • 画像はイメージ
    画像はイメージ
  • 画像はイメージ

野村の続投と交代に鯉党疑問視

   勝負の分かれ目となったのが1-1で迎えた7回。先発・野村の疲労の色が濃くなり、球威が落ち始めた矢先だった。無死1塁の場面で坂本勇人内野手(30)にタイムリー2塁打を許し、丸佳浩外野手(30)を2ゴロで打ち取り、1死3塁としたところで降板。球数118、8安打3失点でカイル・レグナルト投手(30)にマウンドを譲った。

   結果的にこの7回の失点が決勝点につながったわけだが、野村の7回続投の采配に関して鯉党から疑問の声が多く寄せられている。野村は6回から疲れが見え始め、先頭・阿部慎之助捕手(40)にヒットを許し、続くアレックス・ゲレーロ外野手(32)にストレートの四球を与えた。無死1、2塁のピンチにも後続を3人で抑え、無失点で切り抜けた。すでに100球を超え、7回は1番からの打順となることからこの回での降板が見込まれたが、緒方孝市監督(50)は続投を決断した。

   この続投采配に加えて疑問視されるのが、野村の交代のタイミングだ。丸を2ゴロに打ち取り、4番・岡本和真内野手(23)を迎えた場面で交代となったが、野村はこの日、岡本を3三振と、完全に封じ込めていた。野村にタイミングが合っていなかった岡本に対してレグナルトを起用。結果、岡本にレフト前に運ばれ、手痛い追加点を奪われた。

バティスタに代えて3番抜擢も...

   打撃面に関しても緒方采配が空転した。この日、打撃不振のサビエル・バティスタ外野手(27)に代えてプロ3年目の若手・坂倉将吾捕手(21)を3番に起用。「立ってるだけの怖さだけじゃ点は取れない」との理由で若手起用となったが、ここまで坂倉の打率は2割そこそこ。主に代打要員として途中出場が多かった若手にとって「天王山」での3番は重圧だったとみられ、この日は4打数ノーヒット、2三振だった。

   野村の続投は、中継ぎが不安定のなかでの苦しい台所事情があってのことだと見られるが、バティスタに代わって若手の坂倉を3番に起用した采配には、鯉党から不満の声が続出している。在京球団関係者は「確かにバティスタはここ最近、打てていないですが、他球団からしてみれば1発があるだけに怖い存在であることに変わりない。その怖さが坂倉にはないので、菅野は投げやすかったのではないでしょうか」と話す。

   勝てば2.5ゲーム差となる試合を落としてゲーム差は再び4.5ゲームに。16日からは2位DeNAと生き残りをかけた3連戦を控える。自力Vの可能性が消滅し、リーグ4連覇が遠のいた今、逆転Vは緒方監督の手腕にかかっている。