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同じ「天然」でも、実は全然違う? 小野莉奈、永野芽郁、浜辺美波...可愛さの秘密を専門家分析

   女優の小野莉奈さん(19)が2019年8月27日に開かれたヘアケアブランドの新商品発表会見に登場し、天然キャラを炸裂させたとして話題になっている。

   会見中、今夏の思い出を聞かれた小野さんは家族旅行と回答。温泉に入るなどして久しぶりに家族との時間を過ごせたのが楽しかったと振り返ったが、記者から「どこに行ったのか?」との質問が飛ぶと、答えに窮しつつ、「忘れちゃった」「確か伊豆だったかな?」と、とりあえずの回答。しかし、スタッフから「金沢だった」との指摘が入ると、「お刺身を食べました」と、正しい記憶を思い出したとして訂正した。

   楽しかったはずの旅行先を忘れるという「大失態」に対し、記者からは「小野さんは天然なんですか?」と、イジり要素満載の質問が。これに対し小野さんは、「ちょこちょこ言われたりしますが、あまりよく分かりません。実感はないです」と笑顔で返したのだった。

  • 永野芽郁さん(2016年撮影)
    永野芽郁さん(2016年撮影)
  • 永野芽郁さん(2016年撮影)

続々と「天然キャラ」を開花させる若手女優たち

   印象深かったはずの旅行先を間違えるという、それこそ、「天然」要素満載の小野さん。「実感はない」との発言もまた、そのキャラクターを加速させていると言えよう。「天然キャラ」と言われることは、ことに、芸能人をやる上では強力な武器となる要素だが、実は、2019年の芸能界は小野さんをはじめとする20歳前後の女優が、続々と「天然キャラ」を開花させているのだ。

   小野さんの会見から遡ること2カ月弱。7月3日に開かれたカルピスの七夕を記念したイベントに登場した永野芽郁さん(19)は、天の川を見たことがあるかとの司会者からの問いに対し、「天の川が実際にあることを知ってましたか?」と、まさかの逆質問。答えに窮する司会者に対し、「天の川は絵本の中の話だと(つい最近まで)思ってました」「空に川があるってどういうことって?(思っていた)」と、天の川が架空のものであると思っていた理由を挙げ続けて司会者を追い詰めた。

   そして、最終的には話の流れから、天の川が星の集まりであることに自ら気付き、「天の川って星ってことですか!?」と驚愕。これらの様子を報じたニュースに対し、ネット上では「天の川のことで、説明が必要を受ける永野芽郁、受け答えが天然すぎて、こんな純粋な子っているのかな」といった反応が相次いだ。

   同月20日には、浜辺美波さん(19)がテレビで天然キャラを炸裂させた。「嵐にしやがれ」(日本テレビ系)でクイズに挑戦した浜辺さんは、正解すればカルボナーラが食べられるクイズで自分よりも先に大野智さん(38)が正解し、カルボナーラを奪われるも、なぜか「ヤッター!」と歓声を上げる一幕があった。このため、コーナーの司会を務めた「平成ノブシコブシ」の吉村崇さん(39)は、「『ヤッター!』じゃないから!」と浜辺さんをバッサリ。リアクションのおかしさをたしなめられるその姿には、「天然な回答笑かせてもらってます」といった視聴者からの声が相次いだ。

「おとぼけ型」「知らない型」「変わり者型」

   これら、続々と「天然キャラ」を開花させる若手女優たちだが、彼女たちの受け答えを見ていくと、小野さんは、自分の体験を思い出せない「おとぼけ型」、永野さんは大多数が知っていることを知らない「知らない型」、浜辺さんは通常とは違うリアクションを取る「変わり者型」とでも言うことができ、同じ「天然」と言われる中にも違いがあることが分かる。

   そこで、J-CASTニュース編集部は経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏に、タイプ別の特徴をはじめ分析を依頼した。

   まず、「おとぼけ型」の小野さんについては、「旅行に行った」という事実よりも「楽しかった」という感覚や感情を大切にするタイプであると指摘。その上で、

「小野さんのようなタイプの方は、『楽しかった』という感情が優先されるあまり、楽しさが発生した理由となる事実については忘れがちです。ゆえに、ほかの機会に行った旅行などの記憶が混ざり合って間違えてしまった可能性が考えられます。本人としては事実と異なる発言をしているという自覚はなく、そもそも悪意はありません」

と分析。加え、「ほかのタイプでもそうですが、天然キャラを否定すると、その姿が滑稽に見えるため、さらに人気が高まります」と指摘した。

   続いて、「知らない型」の永野さんについては、

「永野さんのようなタイプは、かつて流行った『お馬鹿キャラ』に類似しており、自らの発言で相手が驚いてしまうことで、自分自身も驚いてしまい、その結果、キョロキョロするなどするため、その点も含めて『天然』と認定されてしまいます。このタイプの人は、ファンからはさらに好かれますが、アンチからは『キャラを作っている』との攻撃を受けがちです」

日常と「非日常」の落差が...

   最後に、「変わり者」型の浜辺さんについては、

「人間は、『感情を伴う反応』には因果関係があると考えて生きており、また、実際に他者がそのように『反応』することを期待して生きています。ゆえに、浜辺さんのように『不正解なのに喜ぶ』という反応を見ると強烈な違和感を抱くため、実生活ではこのような因果関係がない反応は嫌われます。しかし、テレビでこのような反応を見た場合は、『これは非日常なんだ』とその反応を楽しむことが出来るため、ファンが増えてしまうのです」

と分析した。

   古くからテレビを賑わせてきた「天然キャラ」の芸能人たちだが、その人気の裏には心理学的必然がこれでもかというぐらい重なっていたようだ。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)