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菅野抹消、原巨人に「黄信号」 育たぬ若手、深刻な先発不足...最終局面を逃げ切れるか

   巨人のリーグ優勝に黄色信号が灯った。巨人は2019年9月5日、菅野智之投手(29)の出場選手登録を抹消した。菅野は4日の中日戦で試合中のアクシデントにより2回44球4失点で降板。球団はこの日、菅野の症状を腰痛と発表した。菅野に代わって鍬原拓也投手(23)が1軍に昇格した。先発投手が不足する中でのエースの戦線離脱。5年ぶりのV奪回に不穏な空気が流れ始めた。

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クックの先発に古川、野上の名が挙がるも...

   「正常じゃない。あした様子を見て」。4日の試合後、原辰徳監督(61)が思わず漏らした不安が現実のものになった。4日のゲームでは2回に突如乱れて4点を失った。マウンドでは下半身をかばうような仕草を見せるなど、菅野の体調に何らかの異変が起きたことは確かだった。ベースカバーに入った際に下半身を痛めたのではとの見方もあったが、球団発表によると、降板の理由は腰痛によるものだった。

   優勝争いの最終局面を迎えてのエースの離脱。菅野が抜けたことで巨人の先発は、山口俊(32)、桜井俊貴(25)、高橋優貴(22)、今村信貴(25)の4枚。ローテーションの一角を担ってきたC.C.メルセデス(25)は前日4日に登録を抹消され、復帰は早くても14日以降となる。また、今村は7月10日以来白星から遠ざかっており、約1カ月ぶりの先発となった9月1日の阪神戦では4回途中で降板している。

   緊急事態に陥る巨人の投手陣だが、メルセデスに代わって1軍に昇格したライアン・クック(32)を先発に回す案も浮上し、8日のヤクルト戦で先発する可能性がある。他の先発候補として楽天から移籍してきた古川侑利(23)や野上亮磨(32)の名が挙がるものの、古川は移籍後初先発となった7月24日のヤクルト戦で1回KO4失点KO、野上は今季初先発となった8月6日の中日戦において4回2失点で降板している。

大きな誤算となった若手投手の伸び悩み

   優勝がかかる終盤戦での深刻な先発不足。若手投手陣の伸び悩みも大きな要因となっている。指揮官が先発として期待した若手が序盤戦でことごとく2軍に降格。開幕ローテーションを勝ち取った畠世周(25)は4月14日のヤクルト戦で見切りを付けられ、昨季のイースタンで投手部門3冠を達成した高田萌生(21)はチャンスを生かせず8月中旬に2軍落ち。中継ぎとして期待された大江竜聖(20)も7月終盤以降、這い上がれずにいる。

   今シーズンは中継ぎ陣に不安を残し、その分、エースである菅野にかかる負担は大きかった。エースの自覚から「先発・完投」を常に心がけ、3試合を完投している。チームの先発陣では唯一、完投している投手であり、腰痛に加えて勤続疲労がエースの体に重くのしかかったことは否めないだろう。

   若手の伸び悩み、エースの戦線離脱、先発不足による中継ぎ陣への負担...。リーグ優勝、そして日本シリーズを見据えたクライマックスシリーズ(CS)を考えると、巨人投手陣の台所事情は深刻さを増す。9月10日からのDeNAとの3連戦、13日からの広島との2連戦をエース抜きで戦い抜かなければならない。原巨人が窮地に追い込まれている。