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ソラーテだけが悪者ではない? 関係者が見る「モチベ低下」の背景

   「セクシータイム」が早くも終わりを告げた。

   阪神は2019年9月9日、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32)との契約解除を決めた。ソラーテは9月6日の広島戦を前にして「モチベーションが上がらない」との理由で帰阪。球団はソラーテの行為を問題視して契約解除に踏み切ることを決めた。ソラーテは9日に帰国した。

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虎党からは真相究明を求める声も

   鳥谷敬内野手(38)への引退勧告、掛布雅之氏の退団。シーズン終盤戦でゴタゴタ続きの阪神だが、今度は外国人助っ人が退団することに。しかもソラーテは7月22日に入団したばかりで、日本デビュー戦となった26日の巨人戦でいきなり決勝2ランを放つ活躍を見せた。「セクシータイム」と称したダンスを披露するなど、陽気な性格で虎党の心を鷲掴みにした。

   今回の契約解除の引き金となったのは、ソラーテの造反行為とみられる。6日の広島戦に向けて広島入りしたものの、グランドに姿をみせずに帰阪した。その理由については「本人のモチベーションが上がらないため」とされ、体調不良などではないという。前代未聞の「職場放棄」となったが、契約解除に至るまでの経緯が判明せず、虎党からは真相究明を求める声が上がっている。

   ソラーテのモチベーションはなぜ上がらなかったのか。日本の球団で長らく外国人選手のケアをしてきた元球団職員は「球団と本人のコミュケーションが取れていなかったのではないでしょうか」と指摘し、次のように続けた。

ラテン系選手は「精神的なケアが重要な仕事に...」

「元メジャーの選手の多くはプライドが高く、誇りを持っています。起用法に関しても首脳陣がきちんと説明してあげなければ納得しないケースも多くみられます。自己主張が強いあまりにわがままに映ることもありますが、外国人選手にとっては当然のことで、しかも彼らは1年1年が勝負になります。結果を出せなければ2軍落ちもあるでしょうが、明確な説明がなければ本人は納得がいかないでしょう」

   日本球界は「チームの和」を重んじ、今回のソラーテの行為はこれに反するもの。契約解除の処分については「適切な判断」とする声が多いが、一方で球団の責任を問うものも見られる。鳥谷や掛布氏の退団報道が続くなか、球団に対する不信感を募らせる虎党も多い。

   前出の元球団職員は「ソラーテの起用法も含めて、球団がソラーテに対して気持ちよく野球をする環境を整えてあげられなかったと思います。ラテン系の選手に対しては精神的なケアが重要な仕事になります。いかに気分よくプレーさせてあげられるか。今回の件に関しては、決してソラーテひとりの責任ではないと思います。球団は今一度、外国人選手の扱い方を見つめなおした方が良いと思います」と話した。

   すでにソラーテは帰国しているため、モチベーションが上がらなかった理由は分からずじまい。その真相はどこにあるのか...。メジャー通算75発の救世主の「セクシータイム」はあっけなく幕を閉じた。