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イジメどころか「傷害やリンチでは」 「小学校の先生」の蛮行、市教委「なぜ...理解できない」

   神戸市立小学校の30~40代の教員4人が20代の後輩教員に暴行やセクハラなどのハラスメント行為を繰り返していたことが分かり、ネット上で怒りの声が相次いでいる。

   これでは、子供たちに示しがつかないのではないかということだ。なぜ大人になっても、こんなことをしていたのだろうか。

  • なぜ先輩教員からの執拗なハラスメントが続いたのか(写真はイメージ)
    なぜ先輩教員からの執拗なハラスメントが続いたのか(写真はイメージ)
  • なぜ先輩教員からの執拗なハラスメントが続いたのか(写真はイメージ)

7月「解決済み」→9月にようやく実態

   「ボケ!」「カス!」。4人は、30代の男性教員3人と40代の女性教員1人で、被害者の20代男性教員に対し、日常的にこんな暴言を浴びせていたという。

   神戸市教委の教職員課が2019年10月4日にJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、4人によるイジメも含むパワハラやセクハラの行為は、18年からずっと続いた。

   被害者の男性教員への強要や暴行も行われ、飲み会でお酒を無理に飲ませたほか、暴言を吐きながらコピー用紙の芯で尻を叩き、尻がミミズ腫れになったこともあった。まだ確認中だが、激辛カレーを無理やり食べさせられたとも被害者は話しているという。

   また、加害者の1人が仕事に残っているときに車で家まで送るように強要したほか、被害者の車の上に乗り、車内に飲み物をわざとこぼす嫌がらせもしていた。さらに、別の女性教員にLINEで性的なメッセージを送るよう強要していたことも分かっている。

   こうした暴言や暴力について、複数の教員が19年6月ごろに小学校の管理職に相談し、小学校は4人を指導した。しかし、この小学校は7月、「過度のからかいによる人間関係のトラブルがあったが指導して解決済み」とだけ市教委に報告し、市教委は9月2日に被害者の家族から連絡を受けてその実態を初めて知り、調査に乗り出した。

   とはいえ、被害者の男性教員は、精神的に不安定になり、9月から病気欠勤している。加害者の4人は、市教委の指導で10月から年休を使って休んでいる。

「人間関係や動機は、調査中でまだ分からない」

   教員によるイジメなどは、10月4日に地元紙などに報じられ、神戸市教委は同日午後、記者会見して事実確認済みなことなどを説明して謝罪した。加害者の4人については、処分を検討していると説明した。

   会見では、4人はさらに、別の20代男性教員1人と20代女性教員2人に対しても、ハラスメント行為をしていたことを市教委が明らかにした。女性教員へは、セクハラ行為があったほか、男性教員には、ポンコツの意味で「ポンちゃん」とのあだ名を付けていたという。

   なぜ先輩教員による若手への執拗なハラスメントがあったかについて、市教委の教職員課は、次のように取材に話した。

「どのような人間関係があり、動機は何であるのかについては、調査中でまだ分かっていません。なぜこんなハラスメントがあったのか、理解ができないので、これから聴いていくことになると思います」

   市教委では、「警察は動いていないと聞いている」としたが、神戸新聞によると、男性教員側は、4人に対し、刑事告訴も検討しているという。

   今回のことを捜査するかについて、兵庫県警の県民広報課は4日、「個別の案件になりますので、お答えすることは差し控えさせて下さい」と取材に答えた。

   ニュースサイトのコメント欄やツイッターなどでは、教員間のイジメ行為について、「労働環境または条件が悪くてそのストレスのはけ口なのですかね?」との声もあったが、加害者への厳しい声が圧倒的に多い。

   「いじめをなくす側がいじめしてどうする」「教員がこれじゃ、いじめなくなるわけない」「傷害事件やリンチでは?」「民間企業ならば懲戒解雇もの」といった声が次々に寄せられている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)