J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

ラグビー日本代表、「ベスト8」最後の壁スコットランド撃破するには...元日本代表・坂田正彰の提言

   38-19。

   2019年10月5日に行われた「ラグビーW杯2019日本大会」で、日本代表(世界ランク8位)はサモア代表(同15位)に勝ち、「勝ち点14」とした。再び、アイルランド代表(同4位)を抜いて「プールA 」の暫定首位となった。だが、目標とする「8強」以上を決めたわけではない。次のスコットランド(同9位)戦(13日、横浜国際競技場)で引き分け以上ならば、初の「ベスト8」が決まる。

   スコットランド戦を勝つには何が必要なのか。元日本代表HO(フッカー)の坂田正彰さんに聞いた。

  • 次のスコットランド戦で「8強」が決まる。スタジアムに詰めかけた大勢のファンたち。(2019年9月20日、東京スタジアム)
    次のスコットランド戦で「8強」が決まる。スタジアムに詰めかけた大勢のファンたち。(2019年9月20日、東京スタジアム)
  • 次のスコットランド戦で「8強」が決まる。スタジアムに詰めかけた大勢のファンたち。(2019年9月20日、東京スタジアム)

「勝って当たり前、という雰囲気の中で...」

   サモア戦、日本代表は序盤から、世界でもトップクラスに入る「スーパーブーツ」田村優選手のPG(ペナルティー・ゴール)で着実に点を重ねていった。しかし、なかなかトライが奪えない。フィジカルの強い相手に強固なディフェンスをしいられ、苦戦した。

   坂田さんは、

「周囲は、格下のサモアに勝って当然だったと思います。しかし、サモアも日本に負ければ予選敗退が決まっていた。『ここで負けられない』という中での、ぶつかり合いだったと思います」

   そんな中、日本代表は試合終了間際、松島幸太朗選手のダメ押しトライを決め、計4トライとした。これでボーナスポイント(BP)が1点加算されたことも大きい。坂田さんは、

「スコットランドには精神的なプレッシャーを与えたでしょうね。日本は『勝ちさえすればいい』のに対して、スコットランドは『4トライ以上で勝たなければならない』という図式になりましたから」

   つまり1勝1敗のスコットランドは勝ち点5で、残る2試合で勝利し、かつボーナスポイントを稼がないと日本を上回れなくなったわけだ。かたや日本代表は、田村選手のPGで確実に点を重ねていけば、ノートライでも行ける...といった考えだ。

「ボールの支配率をあげること」

   スコットランドをはじめ、欧州のチームは「セットピース」(スクラムやラインアウトからのプレー)を中心として攻めてくる「基本に忠実」なプレーが多い。「アップ&アンダー」と呼ばれる、ハイパント(高いキック)を蹴って、タックルし、そこからなだれ込んでくるパターンが多い。「セオリー通り」というか、わりとワンパターンなチームが目立つ。スコットランドも日本がすでに破ったアイルランドの戦い方に似ているわけだ。

   一方でニュージーランド、フィジーなどの南半球のチームは「オフロードパス」(タックルされた状態でつなぐパス)から、トリッキーな攻撃を見せるチームが多い。これは「諸刃の剣」でもあるが、ハマればビッグチャンスへとつながる。「ヤンチャなプレー」と言うべきか。「教科書に載っていないラグビー」、「野生の感」で攻めてくる。

   サッカーでもよく「欧州型=組織力」、「南米型=個人技」とも言われるが、ラグビーでも同じような傾向が見られるということだ。

   スコットランド戦で引き分け以上なら、悲願の「ベスト8」が決まる日本だが、どうすればいいのか? 坂田さんは、

「スコットランドはおそらく、FWを軸に攻めてくると思います。パントを蹴り、大きなFWを前に出してくるでしょう。日本代表は、ボールを確実に獲得し、支配率を上げていくこと。決して相手に付き合わないこと。このプランが遂行できれば、大丈夫でしょう」

   スコットランドに勝てば、首位通過での「8強」が見えてくる。

(J-CASTニュース 山田大介)