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韓国法相、40%が「留任賛成」も... 耐え切れなかった曺国氏「一人の市民に戻ります」

   電撃辞任――韓国の曺国(チョ・グク)法相が2019年10月14日、突如辞任を表明したことは、現地でも驚きとともに受け止められている。

   「私の役割はここまでです」「今、一人の市民に戻ります」――曺国氏が14日、発表した声明の一節だ。

  • 辞任を表明した曺国氏(青瓦台ウェブサイトより)
    辞任を表明した曺国氏(青瓦台ウェブサイトより)
  • 辞任を表明した曺国氏(青瓦台ウェブサイトより)

韓国メディアも「電撃的」

   文在寅大統領の側近として知られ、検察改革への期待をかけられて法相に抜擢されたのは、わずか36日前のことだ。しかし直前から、数々の不正疑惑が明るみに出、妻が在宅起訴されるまでの事態に。それでも文大統領は曺氏の起用にこだわり、本人も改革の遂行に意欲を見せてきたが、1か月あまりで白旗を上げることとなった。

   突然の辞任表明に、韓国メディアでも「전격적(電撃的)」の文字が躍った。青瓦台(大統領府)側も戸惑い気味に反応するなど、まさに急転直下の展開だったことがうかがえる。

   同じ14日、あるデータが出ていた。曺氏の留任を支持すると回答した人が40.5%だったのに対し、「辞任」が55.9%に達したという、リアルメーター社による世論調査結果だ。

   韓国内ではもともと、リベラル派を中心に曺氏を支持する声は決して小さくなく、支持派・反対派がそれぞれ集会を開催するなど、世論はまさに真っ二つに。今回の調査でも、なお40%以上が留任に賛成している。しかし、文政権に批判的な保守派のみならず、中道派からも反発は強まり、同じリアルメーターの最新世論調査では、政権の支持率も41.4%と過去最低を記録した。こうした逆風も、曺氏の決断に影響を与えたとみられる。

   自由韓国党など保守系野党は、政権への批判を強める構えで、文大統領は難しいかじ取りを迫られる。