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朝日新聞、国民・矢田議員を「立憲民主党」と誤記 玉木代表も「信じられません」

    国民民主党の玉木雄一郎代表が朝日新聞に対してご立腹だ。

   朝日新聞の朝刊記事で、同党所属の矢田稚子・参院議員を「立憲民主党の~」と誤表記したことに対し、ツイッターで「誰も気づかず記事になるなんてちょっと信じられません」と指摘している。

  • 玉木代表がツイッターで間違いを指摘した
    玉木代表がツイッターで間違いを指摘した
  • 玉木代表がツイッターで間違いを指摘した

「昔はこんなミスありえなかった」

   玉木代表は2019年10月17日午前、ツイッターで次のようにつぶやいた。

「先ほどの朝日新聞の記事、我が党、国民民主党所属の矢田稚子(わか子)議員が立憲民主党となっている」

と指摘し、

「昔はこんなミスありえなかった。誰も気づかず記事になるなんてちょっと信じられません。朝日新聞さん、矢田わか子参院議員は国民民主党の議員ですよ。よろしくお願いします」

と朝日新聞に苦言を呈した。該当記事の一部の写真も載せ、さらに分かりやすいように間違っている部分に蛍光ペン風のもので線を引いている。「先ほどの」とあるのは、直前ツイートでも同じ記事に触れたからだ。

当該記事を確認すると、朝日の17日付朝刊・総合4面にある「『日米ウィンウィン』追及 貿易協定 自動車・農業で論戦」の記事だった。日米貿易協定に関する国会での与野党の攻防を扱っており、自動車関税について「国民民主党の玉木雄一郎代表」(記事本文)が10日の衆院予算委で、「米側から追加関税はかけられないとする日本政府の立場を疑問視した」ことなどを伝えている。玉木代表による批判のくだりの直後、

「15日の参院予算委でも、立憲民主党の矢田稚子氏が『撤廃の期限を決めて交渉してもらいたい』と迫った」(編注:原文ママ)

と、矢田議員の所属政党を誤って表記している。

    矢田氏は2016年夏の参院選で、当時の「民進党」の公認比例候補として初当選した1期目の議員だ。18年5月に民進党と旧希望の党の流れをくむ国民民主党が結成された当初から、一貫して国民民主党に所属している。当選前は、労働組合の中央組織、連合の構成団体、電機連合(重電や家電メーカーなどの電機各社の労組が加盟)の男女平等政策委員長などを歴任している。

矢田氏事務所・党本部ともに朝日へ「抗議」

   矢田議員の表記について、念のため「15日の参院予算委」の様子を報じた他の記事を確認すると、翌16日付の読売新聞の朝刊記事(特別面「国会論戦の詳報」)の前文で、「国民民主党の森裕子、矢田稚子(略)の各氏」とあり、矢田氏が「(自動車分野の)関税撤廃の期限を決めて交渉するか」と質問した部分も載っている。また、時事通信の15日夕配信記事でも「国民民主党の矢田稚子氏への答弁」と、いずれも「正しく」表記されていた。朝日16日付朝刊では、総合4面「焦点 採録 参院予算委員会」記事などを見ても、矢田氏を取り上げた記事は見当たらなかった。

    なお、15日の参院予算委で質問に立ったのは8議員で、朝日が間違えて表記した方の「立憲民主党」からは、杉尾秀哉、福山哲郎、蓮舫の3氏が質問している。

    また、立憲民主党や国民民主党などは、衆参で統一会派を組んでおり、参院会派は「立憲・国民.新緑風会・社民」。国民と新緑風会の間は「ドット(.)」表記となっている。たとえば先の16日付読売記事では、会派略称として「立国社」と表記している。いずれにせよ、朝日記事の表記が間違いであることに変わりはない。

    J-CASTニュースが17日午後、矢田氏の国会事務所と国民民主党本部にそれぞれ対応を確認すると、双方とも朝日新聞側に「抗議をして訂正を申し入れた」と説明した。17日夕、ネット版の朝日新聞デジタルで該当記事(有料記事)をみると、該当部分は「国民民主党の矢田稚子氏」と表記されていた。

    なお、J-CASTニュース編集部(東京・千代田区)が確認した「朝日新聞の17日付朝刊」は、東京本社版「14版△」(総合4面は14版)で、いわゆる最終版だ。