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日本シリーズ、「控えの差」で明暗クッキリ ソフトバンクは「チームの理想像」で制す

   プロ野球の日本シリーズ第4戦が2019年10月23日、東京ドームで行われ、ソフトバンクが巨人を4-3で下し、シリーズ4連勝で日本一を決めた。4回に3点を先制したソフトバンクは、先発・和田毅(38)が巨人打線を5回無失点で抑える好投を見せ、その後は5人の投手による継投で逃げ切った。シリーズ初戦から強力打線が爆発し、投手陣も巨人打線を寄せ付けずに4連勝。パ・リーグ2位のソフトバンクが圧倒的な強さで頂点に立った。

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「日本シリーズでは硬さがあったように...」

   現役時代、ヤクルト、日ハム、阪神、横浜で活躍した野球解説者の野口寿浩氏(48)は、今年の日本シリーズを次のように振り返った。

「選手層の差が出たと思います。両軍のレギュラー陣をみると、実力的には五分でしょう。ただ、控えの野手、投手でいえば中継ぎ、リリーフに大きな差があったように見えました。とくに巨人の若い野手は経験が不足しているために、ここ一番のメンタルの弱さを感じました。クライマックスシリーズでは普通にプレーをしていた選手も日本シリーズでは硬さがあったように見えました」(野口氏)

   近年、日本シリーズはパ・リーグ球団が圧倒しており、ここ10年間でセ・リーグのチームが日本一となったのは2012年の巨人のみ。3連覇を果たしたソフトバンクは10年間で6度、日本一の座に就いている。ソフトバンクの優勝により、セ・パ両リーグの通算対戦成績は35勝35敗のタイとなった。

パ・リーグとセ・リーグの違いとは...

   セ・パ両リーグで選手の経験を持つ野口氏は、あくまでも私見としながら次のように両リーグの違いについて解説した。

「これは私の意見であり賛否両論あるかもしれませんが、セ・パ両リーグにおいて野球の内容に大差はないと思います。ただ、近年ドラフトで大物と言われる選手がパ・リーグにいくケースが多く見られます。これに加えてパ・リーグには、ソフトバンク、日ハム、ロッテなど育成システムがしっかりしているチームが多い。うまく育てた選手をいいタイミングで起用している。これもパ・リーグの強さのひとつの要因だと思います」(野口氏)

   また、野口氏はパ・リーグの強さについて「攻守ともに思い切りの良い選手が多い」と指摘する。

巨人は全体的な若手のレベルアップが必要

「打者は初球から甘い球を見逃さず思い切り振ってきます。投手はインコースを突く勇気を持っている選手が多い。今回の日本シリーズでも、千賀投手と甲斐捕手のバッテリーは、『これでもか』というくらいインコースを突いてきました」(野口氏)

   3連覇を果たしたソフトバンクを「チームの理想像」と称する野口氏。一方で4連敗を喫した巨人の来季の課題について言及した。

「ブルペンの整備が必要になってくると思います。クローザーはデラロサ投手がいるので、その前を任せるセットアッパーがあと1、2枚ほしいところです。そして全体的な若手のレベルアップです。今回、40人枠に漏れた選手を含めて、いきの良い若手が出てきてほしいです。精神的支柱の阿部選手が抜けた穴をひとりの選手がカバーするのではなく、チーム全体でカバーできるようになれば、より強さを発揮できると思います」(野口氏)