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FA宣言の福田、「条件」を取るか「出場機会」か 

   プロ野球のソフトバンクの福田秀平外野手(30)が2019年10月25日、国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。福田はこの日、球団事務所を訪れ申請書類を提出。権利行使の表明は、12球団を通じて一番乗りとなった。球団はFA宣言後の残留を認める方針で、福田は今後、残留を視野に入れながら他球団との交渉に臨む。

   福田の権利行使を受けて、早速動きを見せたのが西武だ。渡辺久信GM(54)がこの日、改めて獲得に乗り出すことを明言。西武は外野の要である秋山翔吾(31)が海外FA権を取得しており、MLB移籍を視野に入れている。秋山が移籍した場合に備えて外野手の補強がポイントとなり、西武は早くから福田の調査を始めていた。

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球団は4年総額5億円の条件も

   中日も福田の獲得へ前向きな姿勢を見せる。西武同様に、チームの中心的選手である大島洋平外野手(33)が海外FA権を保有しており、現在、権利の行使について熟考している。大島が権利を行使すれば戦力ダウンとなることは必至。与田剛監督(53)、加藤宏幸球団代表(60)ともに福田を高く評価しており、獲得へ向けて調査を行う方向だ。

   この2球団に加えて争奪戦に参戦が見込まれるのがヤクルトだ。ヤクルトは外野手の高齢化に加え、国内FA権を有するウラディミール・バレンティン(35)が権利を行使する可能性が高い。「走・攻・守」3拍子が揃う外野手は補強ポイントに合致。センターに福田を起用することでセンターラインの強化につながる。

   一方のソフトバンクは、福田を全力で引き留めにかかる。俊足かつ内外野を守れるユーティリティープレーヤーを球団は「必要な選手」として高く評価しており、宣言残留も容認。一部スポーツ紙の報道では、今シーズン年俸3600万円(金額は推定)の福田に対して、球団は4年総額5億円程度の条件を提示するという。

SBではスーパーサブだが...レギュラー見込む球団も

   福田は今シーズン、80試合に出場し打率.259、9本塁打をマーク。代打、代走、守備固めのスーパーサブとしての起用が多く、スタメン出場は36試合にとどまった。3年連続日本一のソフトバンクの外野手は、そのレベルも球界トップクラスで、レギュラーの座をつかむことは容易ではない。その一方で福田に対する他球団の評価は高く、年間を通してレギュラーで活躍できると見込んでいる球団もある。

   FA選手として福田のもうひとつの「魅力」が、低額年俸と金銭、人的補償が不要な「Cクラス」の選手であること。獲得を目指す球団にとってそれほどリスクが高くはなく、比較的安価で獲得出来そうな人材である。ただ、ソフトバンクと同様の条件を他球団が提示できるかといえば疑問で、マネーゲームとなればソフトバンクが優位に立つだろう。

   ソフトバンク一筋13年で球団に対する愛着は強い福田。球団が複数年の好条件を提示するとみられる中、福田はスタメン出場にこだわりをみせる。ポストシーズンで勝負強さを見せた鷹のスーパーサブが選択するのは...。11月2日の公示を経て翌3日から他球団との交渉が可能となる。