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チュート徳井「しっかりと見つめ直していきたい」 社会保険も未加入、活動自粛を発表

   お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さん(44)の設立した個人事務所「チューリップ社」が、東京国税局から所得隠しや申告漏れを指摘されていた問題で、吉本興業は2019年10月26日、ウェブサイトを更新し、徳井さんが当面、活動を自粛することにしたと発表した。

   同日、吉本興業は、徳井さんが設立した会社と徳井さん個人が社会保険に入っていない状況が続いていたことも明らかにした。

  • 徳井義実さん(2016年7月撮影)
    徳井義実さん(2016年7月撮影)
  • 徳井義実さん(2016年7月撮影)

「2016年5月ころ銀行預金を差し押さえられるに至りました」

   吉本興業は同日、「チュートリアル徳井義実の税務申告漏れに関するご報告」と題したお知らせを発表した。チューリップ社の法人税申告状況の詳細などを明かした。

   発表によると、2010年3月期から12年3月期分まで各年の申告期限内に申告をせず、税務署から指摘を受け、3年分を12年6月25日に申告。13年3月から15年3月期分についても各年の期限内に申告をせず、税務署から指摘され、3年分を15年7月23日に申告したという。

   13年3月期から15年3月期分の申告自体は終わらせたが、納付については、「再三にわたる税務署からの督促にもかかわらず、手続き怠慢により納付をしておらず、その結果2016年5月ころ銀行預金を差し押さえられるに至りました」などと明かした。

   その上で吉本興業は、「このような度重なる申告漏れ及び未納があったこともあり、チューリップ社は2018年9月頃に国税局の税務調査を受け、2016年3月期乃至2018年3月期の3年分については無申告であるため申告するように指摘を受けました」と説明した。

   同時に、12年3月期から2015年3月期の税務申告で経費として計上していた旅費、衣服代等の一部が否認されるに至ったという。否認された経費の具体的な内容について、「チューリップ社としては税務調査に至った非を認め、修正申告の内容は国税局の指導に全面的に従ったものであったため、その否認された経費詳細については把握していないと税理士から伺っております」と言及した。

社会保険は「速やかに加入手続きを致します」

   申告漏れと否認されたことを受け、チューリップ社は、18年11月から12月にかけて税務署からの指導に従い、16年3月期から18年3月期までについては確定申告書の提出、12年3月期から15年3月期についても修正申告書の提出をそれぞれ行い、法人税の追徴課税として約3700万円を収めたという。金額の詳細について、「否認された経費約2000万円に対する重加算税が約180万円、申告漏れ金額約1億1800万円に対する無申告加算税約510万円が含まれております」と触れた。2019年3月期については期間内に申告を完了しているという。

   吉本興業は、「チューリップ社及び徳井個人の社会保険料の納付状況ですが、2009年の法人設立時に社会保険の加入手続きをしていない状況が続いておりました」と明かした上で、「速やかに加入手続きをいたします」としていた。

   吉本興業は同日、徳井さんによる以下のコメントも掲載している。

「この度は、私の税金に関する問題において、世間の皆様、関係者の皆様に大変なご迷惑をかけ、不信感を与えてしまい、誠に申し訳ございませんでした。私自身深く反省し、当面の間、芸能活動を自粛させていただくことになりました。これからは、あらためて納税に対する意識、仕事のこと、自分自身のこと、しっかりと見つめ直していきたいと思っております。本当に申し訳ございませんでした」

   吉本興業をめぐっては、芸人の不祥事発覚が相次いでいる。19年6月には「カラテカ」入江慎也さんが「闇営業」をしたとして、吉本興業から契約解除され、注目を集めた。今回、徳井さんが当面の間、活動を自粛することが明らかになったが、闇営業に関与していた芸人と徳井さんに対する吉本側の対応の違いも論点になりそうだ。

   メディア各社の報道によると、徳井さんが出演する番組やCMをめぐり、テレビなどが対応に追われている。日刊スポーツによると、徳井さんは13本の番組でレギュラーを務めている。26日にNHK総合テレビで放送される「シブヤノオト」(土曜深夜0時5分)は予定通り放送するが、その後については引き続き検討するという。一方、家電量販店エディオンのCMについては差し替えられた。