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「これで箱根が面白くなった」大混戦! 伊勢路を制したのは東海大

   学生3大駅伝の第2戦、伊勢路を走る全日本大学駅伝対校選手権大会(名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106.8キロメートル)の覇者は、東海大学だった。

   走破タイムは5時間13分15秒。1分44秒差の2位に連覇を狙った青山学院大学、3位に駒澤大学。出雲全日本大学選抜駅伝を制した國學院大学は7位だった。東海大の優勝は16年ぶり。戦国駅伝といわれる今季の学生駅伝だが、残る1冠、「令和」初の東京箱根間往復大学駅伝競走(2020年1月2、3日)のゆくえはますます分からなくなった。

  • 伊勢路を制したのは東海大学(写真は伊勢内宮前・おかげ横丁)
    伊勢路を制したのは東海大学(写真は伊勢内宮前・おかげ横丁)
  • 伊勢路を制したのは東海大学(写真は伊勢内宮前・おかげ横丁)

箱根予選会組が力走、前半の波乱演じる

   「戦国駅伝」にふさわしい大混戦を制したのは東海大学だった。下馬評では、大会連覇を目指す青山学院大、出雲駅伝(10月14日)に続く2冠目を狙う國學院大、出雲駅伝2位の駒澤大学、同3位の東洋大学。2019年の箱根駅伝の覇者・東海大学が「5強」とされたが、首位が目まぐるしく変わる激しいレースとなった。上位入賞は、

1位 東海大学
2位 青山学院大学
3位 駒澤大学
4位 東京国際大学
5位 東洋大学
6位 早稲田大学
7位 國學院大学
8位 帝京大学
9位 順天堂大学

8位の帝京大までが、2020年の全日本大学駅伝の出場権を獲得した。

   レースは、スタート直後の1区から驚きの展開に。大健闘したのは、前週(10月26日)の箱根駅伝予選会に挑んだランナーだった。各大学のランナーの疲労が心配されたものの、それを感じさせない走り。なかでも、箱根駅伝の出場を逃した(15位で予選敗退)城西大の荻久保寛也(4年)が7キロメートル過ぎに抜け出し、27分49秒で区間賞を獲得する走りで、首位に立った。

   2区は14位からスタートした、初出場の東京国際大の伊藤達彦(4年)が躍動。13人をゴボウ抜きで首位に浮上した。箱根駅伝予選会で日本人トップの5位と大健闘して1位通過に貢献したばかりだったが、伊勢路でも圧倒的な存在感を見せた。エース「浦野(雄平、4年)で首位」を目論んでいた前田康弘監督率いる國學院大は、12位から4位まで押し上げた。

「これほど首位が目まぐるしく変わったレースはあったか」

   3区は学生No.1ランナーの呼び声高い、東洋大の相沢晃(4年)が11位から10人を抜き、一気に先頭に踊り出た。4区の今西駿介(4年)がその「貯金」を生かして首位をキープ。しかし、5区でトップに立ったのは東海大。6区では郡司陽大(4年)が激走し、首位をキープした。

   ところが、7区は3位で襷を受けた青山学院大のエース吉田圭太(3年)が首位を奪取。8区に入ると再び東海大学が逆転。名取燎太(3年)がそのままゴールに飛び込んだ。6位で襷を受け取った東京国際大のムセンビ(1年)が4位に押し上げた。

   2020箱根駅伝は予選会で、筑波大学が26年ぶりにキップを手にするなど、話題は豊富。とはいえ、出雲、伊勢路と違ってスピードだけでは勝てないのが箱根。山登り・山下りはもちろん、1区間の距離が20キロメートルという、よりタフさが求められるコースで、「5強」を崩す大学が登場する可能性もある。

   注目は、予選会1位通過で4位に頑張った東京国際大だろう。2区を走った伊藤達彦(4年)と8区のムセンビ(3年)のWエースのスピードは驚異的。早稲田大は予選会8位だったが、伊勢路で5位。「古豪復活」に弾みをつけた。

   箱根駅伝の大波乱として思い出されるのは、第82回(2006年)大会。駒澤大学の5連覇を阻んだ亜細亜大学が総合優勝を果たした。このとき出雲(2005年)を制したのは東海大学。全日本駅伝(05年)は日本大学だった。

   今季の箱根駅伝は、予選会組が大波乱を起こすかもしれない。