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侍ジャパン「世界一」も残った課題 東京五輪に向け「必要な戦力」とは?

   2019年11月に国内で開催された「2019世界野球 第2回 WBSC プレミア12」は日本が決勝戦で韓国に5-3と逆転勝利し、09年の第2回WBC以来10年ぶりに国際大会で優勝を飾った。

   スタンドに詰めかけたファンの力強い応援もホームアドバンテージとして大きなプラスアルファになっただろう。大一番で宿敵・韓国に勝ったことは稲葉監督、選手たちの大きな自信になる。

  • 17日、東京ドームで行われた決勝を制し「世界一」となった侍ジャパンだが…
    17日、東京ドームで行われた決勝を制し「世界一」となった侍ジャパンだが…
  • 17日、東京ドームで行われた決勝を制し「世界一」となった侍ジャパンだが…

絶対に必要な「右の本格派」が...

   一番の収穫は広島・鈴木誠也の活躍だ。侍ジャパンの4番では史上初の3試合連続アーチを放つなど打率.444、13打点の活躍。大会MVPに輝いた。ポスティング・システムによるメジャー挑戦を表明したDeNA・筒香嘉智、コンディションの問題でソフトバンク・柳田悠岐が今大会に選出されなかった中、鈴木が不動の4番として活躍したことは大きな価値がある。

   先発陣もアンダースロー右腕のソフトバンク・高橋礼、左腕のDeNA・今永昇太は合格点をつけられる内容だった。

   ただ課題も残った。先発の軸となる右の本格派で東京五輪の柱になる存在が見つけられなかった。巨人・山口俊はオープンラウンド・ベネズエラ戦、スーパーラウンド・豪州戦に先発したが先制点を許すなどピリッとせず。決勝の韓国戦も初回に2被弾で1回3失点KOを喫した。大会後にポスティング・システムによるメジャー挑戦を目指すことを表明したことから、東京五輪に選ばれるかは微妙な状況だ。また、楽天・岸孝之もスーパーラウンド・韓国戦に先発したが4回6失点KO。

   スポーツ紙デスクは「山口も岸も東京五輪で先発は厳しいでしょう。右の本格派は侍ジャパンのエースとして絶対に必要な存在。今回右肩の違和感で代表を辞退したソフトバンク・千賀滉大、巨人・菅野智之、広島・大瀬良大地、楽天・則本昂大らが有力候補になると思います」と分析する。

   本来なら、右のエースとして稼働しなければいけないのが菅野だ。2度の最多勝、4度の最優秀防御率を獲得した球界最強右腕も、今季は度重なる腰痛の影響もあって納得できるパフォーマンスを発揮できなかった。来年に開催される東京五輪はさらなる厳しい戦いが待ち受けている。先発の柱となる本格派右腕の出現が侍ジャパンの命運を握る。