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楽天・石井GM「参戦」も... FA人的補償見直し、相変わらず反応は冷ややか

   楽天・石井一久GM(46)が2019年11月27日、フリーエージェント(FA)に伴う人的補償制度について持論を展開した。

   スポーツ各紙が報じたもので、現行のFA制度に疑問を投げかけた。この日、ロッテからFAで楽天に移籍した鈴木大地内野手(30)の入団会見が行われ、会見後、石井GMがFA制度のあり方に関して言及した。

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「フェアじゃない」と疑問

   楽天に移籍した鈴木は、金銭または人的補償が必要となるランクの選手のため、楽天はロッテに対していずれかの補償をしなければならない。ロッテが人的補償を要求した場合、楽天が作成した28人のプロテクトリストから漏れた選手(外国人選手およびその年のドラフトで指名した新人を除く)をロッテが獲得することができる。

   来シーズンの構想を踏まえた上でプロテクトリストを作成することになるが、昨年の巨人のように生え抜きのベテランがリストから漏れることも。石井GMはチームの選手層が近年、厚くなってきたことで手放したくない選手もいるとし、現行のFAルールについて「もうちょっとしっかりしてほしいというか、フェアじゃないというか」とコメントしたという。

   今オフ、楽天はFA戦線に積極的に参戦。鈴木と福田秀平外野手(30)の獲得を目指した結果、福田にはフラれたものの鈴木の獲得に成功。26日にはMLBパドレスを退団した牧田和久投手(35)と来シーズン契約に合意したことを発表。西武、阪神との争奪戦を制し、NPB通算53勝25セーブのベテラン投手の獲得に成功した。

「取りに行く側の理論」との声止まず

   FA制度について、巨人・原辰徳監督(61)もまた制度の見直しを唱える。原監督は今月上旬にFA制度に関して持論を展開。FAで選手を獲得することによって球界全体が活性化すると主張し、その上で人的補償の撤廃と現行の28人のプロテクト枠の拡大を唱えた。また、人的補償を「暗いニュース」と表現し、プロテクトリスト作成作業の辛さを訴えた。

   石井GMと原監督のFA制度に対する持論についてプロ野球ファンの目は冷ややかで、「取りに行く側の理論」と一蹴するファンも。在京球団の関係者は「FAの歴史のなかで、西武や広島は選手が出ていく一方だった。そのなかでチーム作りをしてきた。FAというのは人的補償などのリスクを伴うもの。選手を出したくなければFAに参戦しなければいいだけ」と指摘した。

   人的補償を巡っては昨年、巨人の長野久義外野手(34)と内海哲也投手(37)がプロテクトリストから外れ、広島と西武にそれぞれ移籍し球界に衝撃を与えた。今オフは楽天とロッテが補償を必要とするランクの選手をFAで獲得。両球団が作成するプロテクトリストはいかなるものになるのか注目される。