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元農水相銃撃の容疑者「金銭トラブル」 注目のネット告発文との関係

   元農水相の玉澤徳一郎氏(81)を銃撃した容疑者の男(82)について、同姓同名の人物が、ネット上で告発文を投稿していたことが分かり、波紋が広がっている。

   「金銭トラブルがあった」という容疑者の供述に沿う内容だ。一体、2人の間に何があったのだろうか。

  • ネット上に投稿されていた告発文
    ネット上に投稿されていた告発文
  • ネット上に投稿されていた告発文

タイトルは「玉澤徳一郎に告ぐ」

   「玉澤徳一郎に告ぐ」。告発文は、こんなタイトルで長文がつづられているが、すでに削除されている。

   各メディア報道によると、2019年12月10日昼過ぎ、岩手県奥州市内で農業を営む容疑者が、拳銃を持って県警の盛岡東署に出頭し、銃刀法違反の現行犯で逮捕された。容疑者は、「玉澤氏を拳銃で撃った」と話し、その後の調べで、玉澤氏が同日午後、盛岡市内の自宅付近で足を撃たれ、ケガをして入院していることが分かった。

   容疑者は、高校時代の同級生で、玉澤氏の政治活動を手伝ったこともあると主張している。犯行の動機については、「選挙の恨みで撃った。金銭トラブルがあった」「拳銃は古い友人にもらった」と供述したと報じられている。10日は、自宅を訪れ、玉澤氏と話をしていたとの報道もあった。

   玉澤氏は、岩手県出身で、2度の落選を経て1976年に初当選し、衆院議員を9期務めた。94年の村山内閣で防衛庁長官、99年の小渕内閣、2000年の森内閣でそれぞれ農水相を歴任した。07年に政治活動費の領収書改ざん問題で自民党を離党し、翌年に復党したが、09年に政界を引退している。

   共同通信の11日の報道によると、玉澤氏は、事件発生後に県警に通報しておらず、事情聴取にもまだ応じていないという。

選挙めぐる金銭トラブルを主張

   容疑者と同姓同名の人物による告発文によると、この人物は、玉澤氏と同じ高校の同期で仲がよかったとし、1969年に玉澤氏が衆院選に初出馬したときは事務局長としてサポートした、としている。

   内容を要約すると、以前の選挙の際に借用証なしで多額の現金を玉澤氏に渡したが、30年近く経った後に返すよう初めて督促したところ、返せないと言われたと主張。その後、訴訟を起こし、判決では玉澤氏の主張が認められたが、玉澤氏が道義を忘れているとして非難する言葉が書かれている。

   また、同じ人物とみられるツイッターアカウントもあることが分かり、そこでは、16年に道義を忘れた者を議会から排除することを目的とした政治団体を設立したと報告していた。

   J-CASTニュースでは19年12月11日、玉澤氏の親族を含めた関係者と連絡を取ろうとしたが接触できず、玉澤氏側のコメントは確認できなかった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)