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箱根最終区間で新記録、創価大・嶋津「安心しかない」 ハンデを乗り越えての快走に感動と感謝

   出場全21チームが東京・大手町のゴールテープを切った第96回箱根駅伝。全10区間のうち7区間で区間新記録が塗り替えられるたが、最終の10区で創価大・嶋津雄大選手(2年)がハンデを克服して区間新の快走を見せた。

  • 区間新に沸いた第96回箱根駅伝
    区間新に沸いた第96回箱根駅伝
  • 区間新に沸いた第96回箱根駅伝

「一歩踏み出せない人に勇気」

「安心しかないです」

   インタビューにそう答える嶋津選手。レース途中から左足の裏モモがつりかけており、心配な部分があったと振り返る。最後まで走り切ることができたことについて、「安心でしかないです」と強調する。

   来年の箱根駅伝に向けての気持ちや意気込みを聞かれると、「みんなにもっともっと感謝を伝えられるように頑張っていきたい」としつつ、

「自分、生まれつき目の病気で暗いところが見えなくて、冬の練習とかも朝、暗くてきついんですけど、そういう障害だったりとか、一歩踏み出せない人に勇気が与えられる走りができたと思うんで、来年再来年も頑張れるようにしたいと思います」

と意気込みを語った。

   嶋津選手は、生まれつき「網膜色素変性症」という病気で視力が弱く、朝の暗い時間帯の練習にも苦労があったそうだ。

網膜色素変性症とは暗いところでものが見えにくい夜盲(やもう)や、視野が狭くなる視野狭窄、視力低下が見られる病気。日本眼科学会の公式サイトによれば、日本では人口10万人に対して18.7人の患者がいると推定されているという。

   そんなハンデを背負いながらも達成した今回の区間新。自身でも「勇気が与えられる走り」と振り返っているように、ツイッターでも、

「走る姿、輝いてたよ!勇気与えられる走りしてたよ!立派!」
「網膜色素変性症の当事者、家族、関わるすべての人に勇気と感動を与えてくれて本当にありがとうございました!これからも応援しています!」
「嶋津選手、貴方の人生において、この経験、思い出は何にも代えがたいものになるに違いない。これからの貴方の人生に、幸多からんことを祈ります。本当にありがとう」

と感謝の声が上がった。