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マクドナルドの「モバイルオーダー」は本当に最の高なのか メリットあるけど改善の余地も

   マクドナルドが、レジではなくスマートフォンから注文できる「モバイルオーダー」を全国展開した。ここ最近、スターバックスコーヒーなど、ファストフードや外食チェーンを中心に相次いで導入されている、デジタル時代のサービスだ。

   2019年から沖縄県や静岡県などで先行導入されていたが、20年1月28日から全国で使えるようになった新機能は、商品購入をどう変えるのか。J-CASTニュース記者が実際に利用して、メリットとデメリットを考えてみた。

  • 受け取り番号が表示される
    受け取り番号が表示される
  • 受け取り番号が表示される

ネットショッピング感覚で頼める

   全国展開から数日後、東京都内の店舗でモバイルオーダーを試してみた。「モバイルオーダー」アプリからアカウントにログインして、まずは受け取り店舗と、注文する時間帯(朝マックと、それ以外)を指定する。次に、「バリューセット」「レギュラーメニュー」「クーポン」などから商品をカートへ。

   操作は比較的わかりやすく、ネット通販の経験があれば、難なく進めるだろう。選び終わったら「注文を決定」するが、次の画面には「まだ注文は完了していません。店舗でお待ちしております」との表示が。どうやら、店頭に行かないと、続きの操作ができないようだ。

   店舗へ出向き、スマホ上から「到着」を報告。店内かテイクアウトかを選び、あらかじめ登録したクレジットカード(iOSではLINE Payも可)で決済すると、「M」から始まる注文番号が表示された。あとは呼び出されるのをカウンターの前で待つだけだ。なお、この店舗は非対応だったが、席まで商品を持ってきてくれる「テーブルデリバリー」サービスも存在する。

   あたりを見回すと、ランチタイムを過ぎていたからか、レジ待ちの列は1~2人ほど。入店前に作ってもらえるわけではないので、この程度の並びであれば、あまりメリットを感じないかもしれない。数分後、モニターに番号が表示され、カウンターで受け取る。レシートの代わりにスマホ画面を見せるほかは、特段いつもと変わらない流れだった。

行列大の苦手派としては嬉しいけど

   モバイルオーダーの利点は、注文待ちの時間を省けることにある。個人的な話で恐縮だが、筆者は行列が大の苦手だ。前夜から「明日の昼飯は、ここへ行こう」と決めていても、入店待ちの客が1人でも居ると食欲がそがれ、時には何も食べたくなくなるほど落ち込んでしまう。「待つのも、味の一部だ」とのご意見もあるだろうが、私にはストレスで仕方ない。その手順をひとつ飛ばせるのであれば、その心理的ハードルは大きく下がる。

   店舗からしても、モバイルオーダーが普及すれば、レジ要員の削減を見込める。客対応が少なくなるため、トラブル対策にもなるだろう。細かい話で言えば、紙のレシートが発行されない(メールで届く)ため、若干ではあるがゴミの削減も期待できる。

   ネット上では「マクドナルドの事前注文サービス」と伝えられることもあるが、店舗につかないと支払い・注文できないため、厳密にはセルフレジの一種と言える。混雑時の店内飲食では、席を確保できない場合があるため、到着前に注文できないのは理にかなっている。ただテイクアウトでは、店に着くなり受け取りたい人も多いはず。たとえば訪問時刻を指定して、それまでに調理してもらえる仕様になると、より便利になりそうだ。

   利便性で言えば、「モバイルオーダー」アプリが、「マクドナルド」公式アプリと別々に配信されている現状にも、改善の余地がある。また、モバイルオーダーのメニューには「スマイル0円」がラインアップされてない。これには、ちょっぴり寂しさを感じる人もいるだろう。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)