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カーク・ダグラスさん死去、103歳 「OK牧場の決斗」「テレマークの要塞」

   「OK牧場の決斗」など西部劇や戦争映画で一世を風靡したアメリカの映画俳優カーク・ダグラスさんが2020年2月5日、死去した。103歳だった。長男で俳優のマイケル・ダグラスさん(75)の公式フェイスブックで発表された。

   1950~60年代の映画全盛時代に世界的に活躍したスーパースター。ここ数年でも、マイケルさんらと誕生日を祝ったことが報じられていた。

  • カーク・ダグラスさん(C)FAMOUS
    カーク・ダグラスさん(C)FAMOUS
  • カーク・ダグラスさん(C)FAMOUS

大物監督作品で主役

   帝政ロシアからの移民の子として1916年、ニューヨーク州で生まれた。少年時代は貧しくアルバイトに追われた。役者を志し、アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツへ入学、女優のローレン・バコールは同窓生だった。舞台俳優から映画に転じ、49年、「チャンピオン」でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、スターへの道を歩み始める。

   51年にはビリー・ワイルダー監督の「地獄の英雄」、ウィリアム・ワイラー監督の「探偵物語」と、大物監督の作品で立て続けに主役を務めた。そして56年のヴィンセント・ミネリ監督の「炎の人ゴッホ」、57年にバート・ランカスターと共演した「OK牧場の決斗」で人気を不動にした。「ガンヒルの決斗」などの西部劇のほか、「テレマークの要塞」など戦争映画の大役で知られたが、軽妙な役柄やミュージカルもこなした。

   俳優業だけではなく、57年の「突撃」や「バイキング」などでは製作にも関与。とりわけ60年の歴史スペクタクル「スパルタカス」では、自ら主演、総指揮を執り、赤狩りで排斥されていた脚本家を起用するなど主導権を発揮した。

   多年にわたる映画への貢献でレジオンドヌール勲章 (85年)、アメリカ映画協会生涯功労賞(91年)、アメリカ国家芸術賞(2001年)などを受賞。アカデミー賞には「チャンピオン」のほか、「悪人と美女」(1952年)、「炎の人ゴッホ」(56年)で3度ノミネートされたものの、受賞はしなかった。96年にアカデミー名誉賞を受賞している。

息子のマイケル・ダグラスさんもハリウッドで活躍

   晩年は出番が減ったが、世代交代するかのように息子のマイケル・ダグラスさんが注目されるようになり、1975年、「カッコーの巣の上で」を製作してアカデミー賞。俳優としても「危険な情事」「氷の微笑」などで活躍。「ウォール街」ではアカデミー主演男優賞を受賞するなど、親子2代がそれぞれハリウッドで大きな足跡を残した。

   カーク・ダグラスさんは、アメリカン・フィルム・インスティチュートが1999年に発表した米国映画史上の大スターでは男優で17位に食い込んでいた。

   2015年12月14日、日刊スポーツが、米ビバリーヒルズの自宅で開かれた99歳の誕生パーティの様子を伝えている。それによると、マイケル・ダグラスさんらが集まり、誕生祝いの代わりに、映画・テレビ基金に1500万ドル(約18億円)を寄付。アルツハイマー病を患っている映画・テレビ業界の人々の療養施設を建設すると発表していた。マイケルさんらは17年にも、101歳の誕生日を祝ったと報じられている。