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ネリ、「3・28」復帰戦→年内タイトル戦も? 一方「被害者」ロドリゲスは...

   ボクシングの元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(25)=メキシコ=が2020年3月28日(日本時間29日)に復帰戦を行うことが決定的となった。海外の複数メディアが報じた。米ラスベガスでWBC世界スーパーバンタム級12位アーロン・アラメダ(メキシコ)と対戦する。この一戦はWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦と位置付けられ、ネリが勝利すれば今夏にもタイトル戦の可能性が出てきた。

   ネリは昨年11月、WBC世界バンタム級挑戦者決定戦の前日計量で体重超過の失態を犯した。ネリは再計量に応じず、陣営はファイトマネーのつり上げを条件に試合を成立させようとしたが、対戦相手の元IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)がこれを拒否し、試合は中止となった。

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WBCランク入りならばタイトル戦は支障なし

   WBCのマウリシオ・スライマン会長はネリの失態に対して激怒し、今後バンタム級での試合は不可能と判断し、階級を上げるよう進言していた。WBCは昨年12月中旬に更新した世界ランキングでネリをバンタム級から除外したものの、ネリにペナルティーを与えていなかった。一方WBAは一度ネリを世界ランキングから除外したものの、最新の世界ランキングでネリをスーパーバンタム級2位にランクしている。

   現在、WBCのスーパーバンタム級はレイ・バルガス(メキシコ)が王者として君臨している。バスガスは昨年7月にWBCスーパーバンタム級暫定王者・亀田和毅(28)を判定で下して王座統一に成功し、5度目の防衛を果たした。バルガスは34勝(22KO)と全勝を誇るものの消極的なボクシングスタイルが不評で、米国内での人気は戦績に比例することなく関係者からの評価も低い。

   バルガスは今年に入り、これまで契約していたゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)を離れ、米大手プロモーションのプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)と新たに契約を結んだ。ネリもPBCと契約を結んでいることから両者の対戦になんら支障はない。ネリがアラメダを下してスーパーバンタム級の世界ランク15位以内に入れば、世界戦に必要となる条件を満たすことになる。

ネリの早期KO勝利を予測する海外メディアも

   海外の専門メディア「ボクシングニュース24」では、ネリVSアラメダ戦の予想をしており、記事ではネリが早期KOで勝利する可能性を示唆している。これまでネリが2度の体重超過を犯した事実を指摘しながらも、「ファンはネリが2017年8月に山中(編注:慎介)を4ラウンドで下したことを忘れている」と、ボクサーとしてのネリの実力を評価している。

   体重超過を犯し、試合を消滅させた「事件」からわずか4カ月後に世界ランク復帰のチャンスを得たネリ。一方の「被害者」であるロドリゲスは、挑戦者決定戦が中止になったことでWBCから「救済措置」があるかと思われたが、WBCはバンタム級の指名挑戦者にノニト・ドネア(フィリピン)を指名。ロドリゲスの次戦はいまだに決まっておらず、世界戦のチャンスは遠ざかっている。

   WBCがロドリゲスではなくドネアに世界王座挑戦の機会を与えた事実は、ボクシングファンから批判を集め、ネリに対する明確な処分がなかったことも不信感につながっている。世界の主要4団体のうち、ネリを世界ランクに入れているのはWBAだけだが、アラメダ戦に勝利すればWBCのランク入りはほぼ確実で、失態からわずか4カ月でビッグチャンスを得ることになりそうだ。