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亀山会長の「コメント」削除求めDMM社員が提訴 ネット注目の裁判、新たな動きが

   不当な解雇などを受けてDMM.com(本社・東京都港区)に慰謝料を求める訴訟を男性社員が起こしたところ、DMM側が発表したコメントで、名誉が毀損されたとして、この男性が2020年2月12日、同コメントの削除や謝罪文の掲載などを求めて東京地裁に別の訴訟を提起した。

  • 会見した原告のDMM男性社員
    会見した原告のDMM男性社員
  • 会見した原告のDMM男性社員
  • 代理人の佐々木亮弁護士(左)と市橋耕太弁護士(右)

19年11月の提訴後に発表された「亀山コメント」

   訴状と会見の内容によると、法曹資格を持つ原告の男性社員がDMMのコンプライアンス問題を指摘したところ、上司から違法行為を見逃すように言われた。また、労働者の権利を守るための法律知識を同僚に教えたところ、会社に対する敵対行為だと上司に言われ、その翌日に解雇された。

   解雇については地位確認訴訟によってすでに無効判決が確定し、男性は復職しているが、精神的苦痛を受けたとして男性は19年11月6日、DMMに対して慰謝料請求訴訟を起こした。ウェブメディア「弁護士ドットコムニュース」が同日、この提訴を報じたところ、SNS上で拡散。

   するとDMMは翌7日、オウンドメディア「DMM inside」上に「【亀山コメント】弁護士ドットコムニュースについて」と題した亀山敬司会長名義の文書を掲載。訴訟に関係があるとする社内制度について説明したうえで「この件、解決すべく最大限の努力を尽くしていきたいと思います。ご心配をおかけしており、本当に申し訳ありません」などと表明した。 この投稿もSNSなどで広く拡散され、ソーシャルブックマークサービスの「はてなブックマーク」では、前述の弁護士ドットコムニュースの記事、亀山氏のコメントがともに「人気エントリー」にランクインするなど、ネット上の耳目を集める展開となっていた。

コメントの削除など求める

   だが、男性は「亀山コメント」について、11月に提起した訴訟で問題となった上司の発言や男性の解雇に対する言及がなかったとし、さらに「原告とは関係のないことを挙げて読み手を誤解させ、原告の社会的評価を貶める内容」だったと主張。

   男性は20年2月12日に起こした新たな訴訟で、「亀山コメント」によって名誉を毀損されたとして、DMMと亀山氏に対し、同コメントの削除や訂正謝罪文の掲載などを請求している。

   男性は会見で「本件は、不祥事に対する企業のあるべき姿勢を問う訴訟です。雇い主の違法行為に対して声を上げることができる労働者はごくわずかに過ぎません」と裁判の意義を説明した。

   J-CASTニュースは13~14日にかけてDMMに対し、今回の提訴をどう受け止めるかについて複数回取材を申し込んだが、いずれも担当者不在だった。