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枝野→玉木氏が「連続登板」 統一会派「連携プレー」で質問したこと

   2020年2月26日午後の衆院予算委員会で、立憲民主党の枝野幸男、 国民民主党の玉木雄一郎両代表が続けて質問に立った。2人がそろって衆院予算委で質問に立つのは約1年ぶりで、19年9月に野党統一会派が発足してからは初めて。

   同一会派に所属することで、議員同士でテーマがダブらないように調整したりして、問題の追及が効率的になることが期待されてきた。今回の予算委では、枝野氏が主に新型コロナウイルスの問題を取り上げ、玉木氏が主に東京高検の黒川弘務検事長の定年延長をめぐる問題を質問。枝野氏が「このあと、玉木代表からやっていただきますが...」と述べたのに続いて、玉木氏が「今の枝野代表の質問に引き続いて...」と質問に入るといった連携プレーを見せた。

  • 立憲民主党の枝野幸男、 国民民主党の玉木雄一郎両代表の「連携プレー」は上手くいったのか
    立憲民主党の枝野幸男、 国民民主党の玉木雄一郎両代表の「連携プレー」は上手くいったのか
  • 立憲民主党の枝野幸男、 国民民主党の玉木雄一郎両代表の「連携プレー」は上手くいったのか

「このあと、玉木代表からやっていただきますが」

   答弁の不備などで速記が止まった時間を含めて、両者は約75分ずつ質問。枝野氏は新型コロナウイルスについて持ち時間の大半の1時間2分を割いたのに対して、定年延長問題に触れたのは13分のみだった。枝野氏に続いて質問した玉木氏はその逆で、定年延長問題に重点を置いて49分を使い、新型コロナ問題に16分30秒、景気対策をはじめとする経済問題に9分30秒という構成だった。

   枝野氏は新型コロナの問題について、厚生労働省だけではなく全省庁をあげて対応にあたるべきだと主張する中で、

「このあと、玉木代表からやっていただきますが、経済への影響などについても、関係各所沢山、あります」

と言及。森雅子法相や、「与党寄り」の運営がたびたび問題視される棚橋泰文委員長を交えた「連携」もあった。

森法相「ぜひ、シナリオではなくファクトの積み上げで、ご議論させていただきたい」

   定年延長をめぐる問題で、枝野氏が、解釈変更をめぐる文書が「口頭で決裁」されたとする時系列をパネルで示しながら説明した後に

「大事なことを文書で決裁する、その理由はなんですか」

とただした。そこに森氏は

「枝野幸男議員に申し上げます。まず、あのー。この検事長問題について、さまざま、ご質問に答えていただきましたけれど(編注:発言ママ)、あのー、ぜひ、シナリオではなくファクトの積み上げで、ご議論させていただきたいとお願いします」

とかみつき、議場が騒然とするなか、

「枝野議員も、当時民主党政権で法令解釈担当大臣をなさっておられたと思いますけれども、さまざまな解釈について、口頭における決裁もあったかと思います」

と主張。さすがに棚橋氏も

「法務大臣に申し上げます。冒頭、必ずしも適切ではないと私が考える答弁がございましたので、どうぞご注意ください」

と注意し、枝野氏も

「まずこれ、ファクトだけ集めてきてパネルにしたんです。ファクトだけ集めないと、理事会で与党に(議場で掲げることを)否定されますから。与党で了解していただいていたファクトですから!」

と反発した。

玉木氏も「ファクト」という言葉を使って...

   続く玉木氏の質問の冒頭では、枝野氏の質問を受けて時間配分を変えたことを明かした。

「今日、新型コロナウイルス対策、そして景気・経済の問題を中心にやりたいと思っていましたが、今の枝野代表の質問に引き続いて検察官の定年延長の問題を取り上げたいと思います」

   さらに、わざわざ「ファクト」という言葉を使って問題の深刻さを訴えた。

「この問題は、国民の皆さんにも是非ご理解いただきたいのは、我が国が法治主義なのか、恣意的な人によって動かされる人治主義の国なのか、そのことが問われている根源的・根本的な問題なので、ファクトに基づいて事実を明らかにしなければならない」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)