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カシメロ陣営「打たれ強さが試される」 井上尚弥の強打に警戒心

   ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(30)=フィリピン=のトレーナースタッフが「モンスター」に改めて警戒心を深めている。カシメロ陣営が海外の専門メディア「ボクセオ・コロンビア」のインタビューに応じたもので、カシメロのディフェンスが「勝負のカギ」になると指摘。WBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=との王座統一戦は、2020年4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスで行われる。

  • 井上尚弥
    井上尚弥
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「勝敗のカギはカシメロのディフェンス」

   井上との大一番を前に、カシメロは米フロリダで合宿を張った。合宿には、数々のキューバ五輪金メダリストを育てた名伯楽ペドロ・ロケ氏と、メキシコ人世界王者のコンディショニングトレーナーを務めた経験を持つメモ・エレディア氏が帯同。カシメロは世界的なコーチ陣のサポートを受け、技術面や肉体面でトレーニングを行っているが、陣営は決して楽観視していないようだ。

   カシメロ陣営が井上戦に向けて課題に挙げるのが「ディフェンス」と「スピード」だ。エレディア氏は、2019年11月のゾラニ・テテ(南アフリカ)戦を引き合いに出して、「テテ戦に比べ、より速いスピードと持久力が必要になる。井上を倒すためには、必要なすべてのツールを利用できるように、うまく準備する必要がある。その上でガードに気を付け、打たれ強さも試される」と語っている。

   フロリダ合宿では、ミット打ちなどに加えて1日に4ラウンドから6ラウンドのスパーリングを行ったという。調整は順調に進んでおり、体重調整も順調だという。ボクシングの技術面を担当するロケ氏は、井上を「非常に危険な相手」とみており、井上の強打対策としてディフェンス力強化に努めている。ロケ氏はカシメロの爆発力に自信を持つ一方で「勝敗のカギはカシメロのディフェンス」としている。

現地オッズは「井上有利」に傾く

   カシメロ陣営は3月15日からラスベガス入りし、コーチングスタッフ帯同のもと決戦の地で最終調整に入る。一方の井上は、約3週間前にラスベガス入りを計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国が渡航規制を強化する動きがあることから、現地入りを早めることを検討している。ビザ発給の問題が解決すれば、計画を前倒してラスベガス入りをするとみられる。

   米ラスベガスの現地報道によると、井上VSカシメロ戦のオッズは井上有利に傾き、王座統一戦ながらもWBO王者カシメロは「脇役」とみられているようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、井上は当初予定していた報道陣向けの公開練習をキャンセル。厳戒態勢が敷かれるなか、王座統一へ向けての調整が続く。