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「ヒトがヒトを攻撃するのやめませんか」 新型コロナで各地の市長が呼びかけ

「こんな時ぐらいヒトがヒトを攻撃するのやめませんか」

   熊本市の大西一史市長が2020年3月7日、ツイッターにこんなメッセージを投じた。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への不安が全国に広がっていることを受け、「免疫力上げ上げで」収束を待とうと提案している。

   こういった市民への呼びかけが、各地の市長から続々と発信されている。

  • 画像は熊本市の大西一史市長のツイッターのスクリーンショット
    画像は熊本市の大西一史市長のツイッターのスクリーンショット
  • 画像は熊本市の大西一史市長のツイッターのスクリーンショット

長野・小諸市長「いわれのない差別や偏見は許しません」

「人類がウイルスに攻撃されて色んな人が参っちゃってるので、こんな時ぐらいヒトがヒトを攻撃するのやめませんか。免疫力落ちるし。こんな時は部屋で好きな音楽聴いたり好きな映画を見たり好きな本を読んだり好きなコントを見たりして免疫力上げ上げで何とか収束するのを待ちましょう。私は鼻うがい」

   大西市長の投稿全文だ。返信は「市長のおっしゃる通りですね!」、「全く同感です」と多くの共感であふれ、「私の故郷である熊本市の市長さんがあなたでよかったと心から思ってます...」と大西市長に感謝する書き込みもある。また、ツイートされた時間が3月7日未明の、深夜1時過ぎだったことから、「市長、寝てくださいね!!」、「市長も休んでください!!」と大西市長の体を案じる声も寄せられた。

   3月6日には、長野県の南佐久郡南牧村に住む女性が新型コロナに感染したことが明らかになった。同県小諸市の小泉俊博市長は、市のウェブサイトで発表した「小諸市民の皆様への市長メッセージ」をツイッターでも投稿。「素晴らしい」、「涙が出ました」と称賛の声が相次いでいる。特に注目されているのは後段、新型コロナウイルスを克服するために、市民と行政が共に力を合わせなければならないという呼びかけだ。

・恐怖や不安に負けずに、冷静に落ち着いて行動しましょう
・自分でできる感染予防は徹底して行いましょう
・"困ったときはお互い様"の精神で助け合いましょう
・患者や家族に対するいわれのない差別や偏見は許しません

   この4項目を引用しながら、「コロナの患者や家族への差別や偏見は許しませんとはっきり書いてるの!ほんと困った時はお互い様だし!」、「コロナ感染者への酷い誹謗中傷に心を痛めています 小諸市長さんのメッセージ読んで涙が出ました」と感動をツイートする人もいる。

千葉・熊谷市長「風説に惑わされず科学的知見に基づき、冷静に判断を」

   千葉市の熊谷俊人市長も、3月7日朝に投じたツイートが話題だ。熊谷氏は隔年で市立千葉・市立稲毛高校の卒業式に出席しており、20年は市立稲毛の卒業式に出席予定だったが、式の規模を小さくするために出席を取りやめた。壇上で祝辞は読めなくなったが、ツイッターで高校生や保護者らに祝いの言葉を手向けた。政府の「休校要請」で、卒業生が仲間と過ごせる時間が短くなったことについても「残念に思う方も少なくないと思いますが、この経験を皆さんの明日に繋げて欲しいと願っています。風説に惑わされず科学的知見に基づき、冷静に判断することの重要性を忘れないで下さい」とエールを送った。

   さらに、諸外国との関係や、多様性についても言及。2020年夏に東京五輪・パラリンピックが控えていることを念頭においているとみられる。

「国際化の進展により世界の出来事が私達の生活に密接に関係していることを知り、常に世界の情勢に目を向け、日本から世界へ何が貢献できるのか、考えることを忘れないで下さい」
「民族・肌の色・宗教・障害、性的自認・指向の違いなど、自分と立場や価値観の違う人がこの世界にたくさん居て、その違いが多様性と魅力を生み出していることを忘れないで下さい。違いを違和感と感じ拒絶するのではなく、新たな世界との出会いだと考えられる人であり続けて下さい」

   一連のツイートには、「いつもきめ細やかな配慮、情報配信、柔軟な対応を感謝いたします」といった感謝も声が寄せられたほか、「幼稚園にも祝辞来てました。なんか嬉しかったです」、「祝辞頂きました、ありがとうございます」と祝辞を受け取ったとみられる人からも喜びの反応があった。