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緊急事態宣言の「本格的検討を」 国民民主・玉木代表、「危機感の緩み」指摘し提言

   国民民主党の玉木雄一郎代表は2020年3月25日の定例会見で、新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型インフル特措法)の改正で発出が可能になった「緊急事態宣言」について、「本格的に検討すべき」だと述べた。

   念頭にあるのが、西村康稔経済再生相や大野元裕知事の自粛要請にもかかわらず、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で3月22日、格闘技イベント「K-1 WORLD GP」が開催された問題だ。緊急事態宣言で法的根拠がともなった自粛要請をすることと、然るべき補償をセットで行うことを求めた。

  • 記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表。3月18日に30兆円規模の緊急経済対策案を発表している
    記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表。3月18日に30兆円規模の緊急経済対策案を発表している
  • 記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表。3月18日に30兆円規模の緊急経済対策案を発表している

「オーバーシュート発生なら医療提供体制崩壊は明らか」

   3月19日付の政府の専門家会議の報告書では、今後の見通しについて

「今後、地域において、感染源(リンク)が分からない患者数が継続的に増加し、こうした地域が全国に拡大すれば、どこかの地域を発端として、発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねない」

など説明している。玉木氏はこの点を念頭に、「『自粛疲れ』」で危機感が緩んでいるのでは」などと指摘。緊急事態宣言について、次のように述べた。

「五輪があるからということで遠慮していたわけではないと思うが、そうした危機的なオーバーシュート(爆発的患者急増)、それが起これば医療提供体制が崩壊するのは欧州の例を見れば明らか。緊急事態宣言の発出について本格的に検討すべきではないかと思う」

などと述べた。

補償支援措置とセットで「厳しく自粛を求めていく」

   大臣や県知事の「自粛要請」は法的根拠を伴わず、仮に要請に従ったとしても政府や県が主催者に損失を補償するわけでもない。こういった現状から、玉木氏は

「むしろ、法的根拠に基づいてしっかりとした要請をするということ、合わせて、その場合には、損失補償、経済的な遺失補償をどうするかを事前に明確にした上で自粛等を要請していくことが大切」
「これまで緊急・異例の措置ということで、必ずしも法律に基づかないで、様々な措置が行われてきたが、これからまさに正念場、オーバーシュートの可能性が特に首都圏で心配される状況。緊急事態宣言の発出についても真剣に検討すべき時期に入っている」

などと主張した。国民民主党は3月18日、(1)国民1人あたり10万円の給付(2)中小・小規規模事業者の減収補償(3)消費税率の5%への減税、を軸とした30兆円規模の緊急経済対策を発表しており、玉木氏は

「こういった十分な個人や事業者に対する補償支援措置とセットで、国として厳しく事業者等に厳しく自粛を求めていく体制を強化していかなければならない」

と話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)