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巨人スカウト陣に逆風 ドラ1投手は「異例」離脱、今季は視察機会激減も...

   プロ野球の巨人のドラフト1位・堀田賢慎投手(18)が2020年4月2日、神奈川県内の病院で右肘のトミー・ジョン手術を受けた。スポーツ各紙が報じた。

   手術後はリハビリに半年以上の時間を要し、実戦復帰までに1年近くかかるため今シーズンの復帰は絶望となった。堀田は来シーズンの復帰を目指してリハビリに取り掛かる。

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「球団幹部の怒りの矛先はスカウトに向かうでしょう」

   将来を嘱望されるドラ1にまさかの事態だ。堀田は青森山田高出身で、昨秋のドラフトで巨人から1位指名を受けてプロ入り。最速151キロを誇る右腕で、原辰徳監督(61)は堀田の将来性を買っており大きな期待を寄せていた。その未来のエース候補が、シーズンを迎えることなく離脱。巨人首脳陣に与えた衝撃は決して小さくはないだろう。

   新人選手が春季キャンプ中に負傷して出遅れるケースはあるものの、堀田のようにシーズン前に手術を受けるのは稀である。堀田は1月の新人合同自主トレ中に右肘に炎症を起こしており、2月の宮崎キャンプは別メニューで調整していた。右肘の状態がいつから悪かったのかは不明だが、ドラ1ルーキーの早期故障はスカウト陣の「質」が問われるだろう。

   在京球団の関係者は「ドラフト1位の投手が4月に肘の手術を受けるなんて、これまでほとんどないと思います。球団幹部の怒りの矛先はスカウトに向かうでしょう。高い契約金を払って獲得した選手がいきなり手術ですから、何を見てきたんだと。堀田はまだ若いので将来性はありますが、伸び盛りの若手にとってはこの時期の離脱は痛いですね」と語った。

2015年ドラ1桜井は昨年ようやくプロ初白星

   ここ最近の巨人のドラ1投手をみると、2018年のドラ1高橋優貴投手(23)は昨シーズン先発ローテーション入りし、即戦力として5勝をマーク。2017年ドラ1鍬原拓也投手(24)はプロ1勝にとどまっているものの、オープン戦で好投を見せ一躍、今シーズンの先発ローテーション候補に躍り出た。

   即戦力として期待された2015年ドラ1の桜井俊貴投手(26)はプロ入り後、3年間は結果を残せなかった。昨シーズンは中継ぎとして開幕1軍入りを果たし、5月にはプロ初勝利をマーク。6月から先発として起用されるようになると闘志を全面に押し出す投球でローテーションの一角として活躍し、8勝6敗でシーズンを終えた。

   ルーキーイヤーで5勝を挙げた高橋は、一定の評価を受けるものの、鍬原、桜井に関してはドラ1としての物足りなさは否めないだろう。実際、2012年のドラ1菅野智之投手(30)はルーキーイヤーに13勝をマークしている。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、高校、大学、社会人の公式戦が軒並み中止となっている。スカウトが試合を視察する機会が激減し、スカウトの手腕が問われるシーズンだけに...。