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新型コロナ問題で「オープナー」普及? 故障リスク軽減狙い「導入、増えるのではないか」

   新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況が続く。

   政府は2020年4月7日に緊急事態宣言を発令した。期間は5月6日までの1カ月間で、東京など7都府県が対象。対象外となった県でも1日も早い感染収束に向け、各自治体が不急不要の外出自粛を呼び掛けている。

  • 日程変更で戦術にも変化?(イメージ)
    日程変更で戦術にも変化?(イメージ)
  • 日程変更で戦術にも変化?(イメージ)

「シーズン中に故障するのが怖い」

   プロ野球も大きな影響を受けている。当初は3月20日の公式戦開幕だったが新型コロナウイルスの影響で4月24日を目標に延期。しかし、感染拡大が深刻な事態で、5月以降に再延期が避けられない事態となった。球界関係者によると、球宴、クライマックスシリーズの開催中止のほか、交流戦廃止で試合数削減も検討されているという。

   選手も開幕戦のメドが立たない状況で難しい調整が強いられている。各球団は自主練習にしたり、時間帯をずらして少人数で練習するなど感染防止に細心の注意を払っている。

   ある選手は「実戦から2週間以上離れるとコンディションの維持が凄く難しい。毎年開幕から逆算して春季キャンプ、オープン戦と仕上げていきますが、またゼロに戻った感じ。ジムも閉鎖しているし、トレーニングは自宅の周りを走ったり、素振りするぐらいしかできない。いつ開幕を迎えるかわかりませんが、万全の状態で迎えるのは厳しい。心に体がついていけずシーズン中に故障するのが怖いですね」と不安を口にする。

   シーズンが始まって日程がタイトになっても、選手に無理はさせられない。ある球団の首脳陣は「先発投手に中4日でどんどん投げてもらうというわけにもいかない。故障されると投手の台所事情がさらに苦しくなるから。今年はオープナーを導入するチームが増えるのではないか」と分析する。

個々の選手の負担を減らす必要

   救援投手が先発登板し、短いイニングを投げた後に本来の先発投手がロングリリーフとして継投する「オープナー」。18年に米大リーグのタンパベイ・レイズが55試合で採用して話題となり、昨年は日本ハムが積極的に導入し、DeNAも採用した。

   先発ローテーションの5~6人が周る状況を理想に考えるチームが多いが、今年は状況を考えなければいけない。新型コロナウイルスの影響で開幕が大幅に遅れてタイトな日程になると、故障のリスクを少なくするために個々の選手の負担を減らす必要がある。「オープナー」も戦術の一つとして検討しなければいけないだろう。