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コロナ陰謀論にハマるボクシング世界王者たち 関係者「話にならない。しっかり釘を刺すべき」

   ボクシングのWBO世界ウエルター級王者テレンス・クロフォード(32)=米国=の新型コロナウイルスに関する発言が大きな波紋を広げている。 クロフォードはスポーツ・イラストレイテッド誌の記者とのインタビューのなかで「新型コロナウイルスのパンデミックは(政府とメディアの)陰謀」と主張。この発言が米国メディアをはじめとし、ボクシングの専門メディアでも取り上げられ、注目を集めている。

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クロフォード一家は自宅待機命令も無視...

   クロフォードが唱える「陰謀説」の矛先は、政府とメディアに向けられている。クロフォードは「彼ら(政府とメディア)は恐怖を与えて俺たちを支配しようとしている。個人的には彼らが言っていることの全てに同意できない。メディアが世界を支配している」と持論を展開。さらに自身と子供たちが自宅待機命令を無視して、いつもと変わらぬ生活を送っていることを明かしている。

   クロフォードはライト級、スーパーライト級、ウエルター級の世界3階級制覇を成し遂げ、36勝(27KO)無敗を誇る。現在、米国内で最強といわれ、米国で最も権威のある専門誌「リングマガジン」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングでは、井上尚弥(大橋)に次ぐ4位につけている。影響力の強いスーパー王者の発言は、ボクシング界のみならず全米で波紋を広げている。

   ボクシング界では、元WBA、IBF世界スーパーライト級王者アミール・カーン(英国)による新型コロナウイルス関連の発言が物議をかもした。専門メディア「ボクシングシーン」によると、カーンは新型コロナウイルスの発信源について「私はそれが中国から来ているとは思わない。それは嘘だ」と主張し、「建設中の5Gタワーに関係あると思わないか?」と発言し、英国内では「常軌を逸した主張」と批判されている。

「承認団体のトップは今こそ声明を出すべき」

   カーンは17歳の時に2004年アテネ五輪に出場し、銀メダルを獲得。その後、プロに転向し、WBA世界スーパーライト級王座を獲得後、IBF同級王座の統一に成功した。2016年5月にはサウル・アルバレス(メキシコ)と対戦し6回TKO負けを喫した。また、くしくもカーンはクロフォードと2019年4月にWBO世界ウエルター級王座をかけて対戦しており、挑戦者カーンは6回TKOで敗れた。

   ボクサーによる一連の発言について、協栄ジムの金平桂一郎会長(54)は、「話にならない」とバッサリ切り捨て、次のように語った。

「世界中の人々が苦しんでいるなかで、このような発言で傷付く人がいる。それを感じることが出来ないようでは、アスリートとしてどうかと思います。世界チャンピオンという非常に影響力の強い立場の選手の発言は、ボクシング全体のイメージにもかかわります。他のボクサーはたまったものではないでしょう。世界の承認団体のトップは今こそ声明を出すべき。このような発言をした選手に対してしっかりと釘を刺すべきだと思います」(金平会長)